目指すべきは受信料値下げではなくNHK廃止!
携帯電話料金の値下げの動きが本格化した結果、NHK受信料の高さが浮き彫りになってきました。昨年12月、ドコモが20Gまで2,980円の料金プランを発表したことにより、携帯料金はせいぜい2,000円台の時代に入ると思われます。そうなると見ないのに月2,170円を払わされているNHK受信料に不満が集まるのは当然です。武田総務大臣はこれを察知し、NHKに対してコロナ問題に苦しむ視聴者に対して期間限定でも良いから受信料を下げるよう呼びかけています。この際にNHK受信料に対する不満は燎原の火になろうとしていると述べていましたが、既に燎原の火状態です。ヤフーニュースには頻繁にNHK受信料に対する批判記事が掲載されますし、同じ放送利権を持ち受信料に関する記事は避けてきた大手新聞社さえ受信料問題を批判する記事を掲載し始めています。新聞社としては傘下の民放がテレビ離れで経営が苦しくなった中で、この10月総務省の有識者会議でNHKがテレビ設置の届出を義務付けるよう要望したことから、テレビ離れが加速することを危惧し、NHK叩きを始めたと思われます。こうなるとNHKの味方は監督官庁の総務省と国会議員だけとなります。この両者が国民のNHK制度見直しという多数意見を無視し、NHK制度を維持してNHKを守ろうとしています。それはNHKへの天下り(総務省官僚)や子弟や関係者の就職(国会議員)でNHKから利益を受けているためです。このようにNHK問題は総務省と国会議員の利権化しているのです。
昨年の春以来コロナ問題が深刻化し、多くの家計が減収や生活困難になっています。そのため政府が給付金を支給したり、福祉貸付金を創設したりして国民の生活を維持しています。民間企業においても例えば銀行はコロナの影響で失業したり減収となって住宅ローンが払えなくなった家計に対して支払いの猶予などの支援をおこなっています。それに対して公共放送を謳っているNHKは全く何もしていません。これはリーマンショックのときと全く同じです。リーマンショックのときも今回も国の税収は大きく減りますが、NHK受信料収入は殆ど影響を受けません。それは収入に関係なく定額としているからです。そのため低所得者ほど厳しい負担感となっています。年収200万円以下だと受信料月2,170円は1人当たり1週間分の食費に当たる人も多いと思います。NHK職員には決して理解できないと思います。
NHKは昨年7,115億円の受信料収入があり、223億円の剰余金を計上しました。そしてこれまでの剰余金合計は2,907億円となっています。しかし子会社に870億円の剰余金があり、合計3,770億円の剰余金があるのですか、これは発表しようとしません。子会社の売上の殆どはNHK本体との取引であり、受信料を子会社に付け替えている構造です。使途の制限がある受信料を子会社に付け替え、自由に使える資金に変えています。いわゆるマネーロンダリングです。また子会社をたくさん作ることに依って総務官僚の天下り先、国会議員の子弟や関係者の就職受け入れ先としています。これが受信料制度を守るための仕組みの一部になっています。
実はNHKの剰余金はこんなものではありません。企業活動も本当の儲けは現金の増加額で示されます。黒字倒産という言葉がありますが、これは決算書上は利益が出ているけれど現金収支でみれば赤字となっていることを表します。それは例えば売掛金の回収よりも買掛金の支払が先にくるような取引の場合に生じます。NHK場合この現金収支で見れば前期は1,126億円の黒字となります。それは現金支出を伴なわない費用がたくさん決算書に計上され利益を少なくしているからです。その代表例である減価償却費は840億円あります。これで利益は少なくなりますが、現金は840億円手元に残ります。その結果現金は年間1,126億円余る構造になっているのです。このままでは受信料を下げろと言われるので、NHKは放送機器や地方放送局の建て替え、そのための土地の購入などに使っています。それで余った現金は預金や有価証券で運用しています。2019年決算で見ると現金有価証券が4,412億円ありますが、これは1,200億円(月の売上の2ヶ月分。支払い用)もあれば十分です。ですから3,200億円は余裕資金です。その他にも長期有価証券1,330億円ありますので、これも余裕資金です。従って受信料値下げに仕える資金は約4,500億円(3,200億円+1,330億円)あることになります。だから前田会長はコロナに苦しむ視聴者に受信料を4,500億円分値下げする、即ち受信料を1年間半額にすると言えばよかったのです。それを次の中期計画が固まるまでは値下げはできないなどと言い張るから前田会長はすっかり受信料支払者の敵になってしまいました。
武田総務大臣はNHK問題をなんとか受信料の一時的値下げで乗り切ろうとしていますが、そんな問題ではなくなりました。受信料支払者の多くがNHKのセレブな経営状況を知り、受信料徴収がNHKの経営目標化している実態を知ったことから、NHKは廃止になってもよいと考えています。今年はNHK廃止に向けた戦いとなります。その決戦の場は9月に予想される総選挙で、NHKを守る自民党議員をたくさん落選させる必要があります。皆さん、自民党以外に投票してNHKを廃止に追い込みましょう。
(なお2019年度のNHK決算は
https://www.nhk.or.jp/info/pr/kessan/assets/pdf/2019/gaiyou_r01.pdf で見れます。