「PCR精度7割だからダメ」がコロナ感染拡大を招いた
コロナの感染拡大が止まりません。1月7日には首都圏の1都3県に緊急事態宣言が出されました。関西の府県や東海の県でも緊急事態宣言が出されるようで、今後さらに増えそうです。
こういうことになったのは、理論的に考えられるコロナ感染拡大防止策をやってこなかったからです。感染拡大防止策としてはPCR検査でコロナ感染者を片っ端から見つけ出してマーキングし、動き回らないにするしかありません。しかし政府は、PCR検査は医師が必要と認め、かつ保健所が妥当と認めた人に限ってきました。これは医師会が強く主張したからであり、感染症でも医師の判断なしには検査は受けさせないと言う医師会の利権確保の姿勢から出たものでした。コロナの場合、無症状者が多数おり、その人たちが動き回って非感染者と接触し感染を拡大させていると考えられます。この人たちは医師にかかることはなく、従って今の制度ではPCR検査を受けることはできません。無症状段階でPCR検査をできるだけ実施し、それで陽性になった人を医師が診断する体制になっていたら、病院で医療従事者が感染することも少なくなくできたと考えられます。このようにPCR検査を受けさせる権限を医師が手放さなかったことが感染拡大の最大の原因だと考えらえます。
PCR検査を無症状者にまで実施すべきという主張は、ソフトバンクGの孫社長、楽天の三木谷社長、京大の本庶名誉教授、同じく京大の山中教授などが早くからしています。孫社長は自ら2,000円でできるPCRセンターを2カ所設け、政府や医師会がやらないなら自分がやるという姿勢です。また三木谷社長は安価な検査キットを発売し、PCR検査の拡大を推進しています。これに対して医師側はPCR検査の精度が7割程度しかないことを最大の理由としてPCR検査の拡大に反対してきました。PCR検査の精度が7割だとすれば10人の感染者がいたら7人は感染者と判明し、この7名は動き回らなくなります。あと3人は非感染者とされて動きますが、7人を動き回らなく出来た効果を見るべきです。感染終息にはこうして無症状感染者をあぶり出し、マーキングしていくしかありません。それ以上に良い方法があるのなら、7割の精度しかないことを理由に反対するのも分かりますが、ないのに反対するのは感染拡大を歓迎しているように思えます。更にこの人たちが厄介なのは、孫社長らが行っている2,000円PCR検査で陽性となった場合に、確定診断やその後の病院の対応で非協力的態度を取っていることです。孫社長や三木谷社長は問題解決の可能性がある方法があれば挑戦するけれど、医師はやらない理由を探しているように見えます。危機にある中での行動としては、孫社長や三木谷社長の姿勢が望まれます。医師の問題解決能力の欠如が浮き彫りになっています。
韓国では医師も一緒になってドライブスルーPCRを実施しコロナを抑え込みました。それに対して日本では医師がPCR検査の拡大を邪魔しています。整形手術や歯科治療などで韓国に行く日本人が増えているようですが、この傾向が医療全般に及ぶ日も近いと思われます。
追伸;昨日の報道によると政府はこの春から不特定の人たちを対象に無料でPCR検査をする方針を決めたとのことです。どれだけの人が受診するか、陽性となったらその後ちゃんと確定診断してもらえるのか、自宅隔離でよいかなど多くの問題がありますが、コロナ収束のためにはこれを広げていくしかないと思います。