NHK受信料7,000億円は職員で山分け
NHKは国民の8割が望む放送のスクランブル化をせず、受信料を1割値下げして乗り切る方針のようです。そして2月5日菅内閣はこのNHKの中期計画と来期の予算案を閣議決定したという報道ですので、菅首相も了承していることになります。菅首相は携帯料金値下げの次はNHKをやれと武田総務大臣に指示したという報道があったことから、期待していたのでがっかりです。
こうなると前田NHK会長が雑誌で語っていたことが事実だったことになります。記事の中で前田会長は「(10月5日菅首相を訪ねたことについて)挨拶には行かないと。僕はいまNHKを改革しようとしている。それを理解してくれないと困るから」 ――「でも(菅首相は、受信料を)値下げしてくれ、とは言わなかったよ。値下げはできる状況になったらするし、最近でもそう言っている。ただ、中期経営計画には書いていない。いま計画を作っている途中で、値下げありきでやっていたら計画が組めないから。値下げありきで、番組の質が落ちたらどうすんのよ、と。番組を全部ボロボロにしちゃえば、値下げはすぐできる。コストをぐんと落として、半分以上を再放送にしちゃえばいいわけだ。だけど、それは違うでしょう」――と述べています。要するにコロナ禍の今値下げせず2023年から1割値下げすることについても菅首相は始めから了承していたと言うことです。菅首相には、スクランブル化を含むNHK改革をする気は始めから無かったということになります。
2月4日の定例記者会見で前田会長は、受信料を1割下げるわけではなく、コストを700億円削り、その700億円で衛星放送の受信料を下げることを考えていると言っています。これは高市前総務大臣が雑誌に話していた内容と符合します。高市前総務省は在任中に前田会長と総務大臣室で会い、またメールでも意見交換しており、改革の方向性は一緒だったと述べています。高市前総務大臣はスクランブル放送化には賛成ではないようですが、衛星放送は廃止すべきだと述べており、前田会長の衛星放送受信料を値下げするというのはこれに対応すると思われます。そして関連会社の整理については一般財団法人などの公益法人4社を統合することを考えているようですが、これでは大して効果ありません。
今までのNHK会長がお飾りだったのと比べると、前田会長は良く実態を掴み、改革をしようと言う意思は感じられますが、国民が望む改革とは大きく乖離しています。
放送事業で7,000億円使うのは容易なことではなく、NHKは毎年使い切るのに四苦八苦しています。利益は約200億円程度に抑えていますが、現金収支では毎年1,000億円を超える現金が余っています。余らせると受信料を下げろと言われるので、NHKは放送機器の購入や地方放送局の建て替えなどで使い、残りは現金・有価証券(約5,000億円)で持っています。だからあまり使わない放送機器が埃をかぶっているはずですし、地方放送局は毎年3局程度順番に建て替えられています。地方放送局なんて自主制作も減っているし、土日には地方ニュースも放送しない局も増えています。高速道路網が発達した現在ではブロック都市の局から取材に行けばよく、殆どの地方局は必要なくなっています。
7,000億円の受信料があるせいで最も手厚くなっているのが人件費などの職員に関する費用だと思われます。最近元NHK職員がNHKは持ち家でも住宅手当として5万円を出していることを暴露して世間を驚かせましたが、こんなものではないと思います。例えばNHKには連結決算会社が11社ありますが、この中には従業員数よりも役員数が多い会社があると言う報道です。要するに関連会社がダブついた管理職を処遇するために使われているということです。そのためこれから管理職数百人について早期退職を募集するということですが、有り余る受信料を利用して相当の退職優遇措置を講じてくるはずです。
このように7,000億円という使いきれない受信料は先ず職員で山分けされ、残りは余らないように使い切るのに四苦八苦しているのが実態です。これを月6,7万円の年金で暮らしている老人や生活保護以下の収入で暮らしている生活者からも巻き上げているのです。こんな不条理許されていいはずがありません。これを許しているのは、政権党である自民党ですから、我々としては先ずは自民党を廃止する必要があります。このため次の総選挙では自民党に投票しないことを徹底する必要があります。