携帯3社のおぞましい料金体系を破壊してくれた楽天三木谷社長に感謝
1月29日、楽天モバイルが新料金を発表しました。ドコモが20Gまで2,980円という楽天モバイルと同料金(楽天モバイルは無制限)を発表して以来、ソフトバンクが追随し、auは20Gまで2,450円(ただし5分間の音声通話無料がない)という楽天モバイルより安い料金を出して、楽天モバイルの優位性がなくなっていました。そんな中で出してきた楽天モバイルの新料金は、多くのスマホユーザーを喜ばせる内容でした。
20Gまでの料金をドコモやソフトバンクより1,000円安い1,980円に設定し、大手3社を引き離しました。それ以上にスマホユーザーを喜ばせたのは、データ使用量の少ないユーザー向けの料金を大きく下げたことです。大手3社のそれまでの値下げは、ユーザーの2割程度しか該当せず大手3社の収益にあまり影響を与えない大容量ユーザー向けの値下げでした。これには低容量ユーザーをお得になった20G契約に誘導しようと言う狙いが見え見えでした。これは大手3社と総務官僚が仕組んだ偽装値下げです。これでは多くの家計はメリットないなと思っていたところ、楽天モバイルがこの悪企みを見事に打ち砕いてくれました。
楽天モバイルの新料金では、1~3Gは980円であり、1,000円を切っています。たぶんユーザーの3~4割はこれで十分だと思われます。またデータ使用量が1Gに満たない場合、無料というのも有難いものです。多くのお年寄りは万が一のためスマホを持っており、データ通信は利用しない人が多いのです。この人たちは基本通話も少ないと思われ、料金0になる月も多いと思われます。だから老人に優しい料金制度と言えます。
これを受けY!モバイルは家族割引がついて3Gまで900円という新料金を出してきました。これは楽天モバイルの新料金を意識した料金設定で、従来からの家族縛りでユーザーを囲い込む作戦です。ここではヤフーと楽天の顧客囲い込み競争が見て取れます。これにより今後ドコモとauも同じレベルに下げてくることが予想されますので、3Gまでは1,000円以下と言うのが相場になると思われます。
こうなると格安通信業者と言われるMVNOが困ります。MVNOは大手3社から通信回線を借りていますが、大手3社が通信回線の使用料を下げないため、値下げができない状況です。何と武田総務大臣が大臣就任早々の昨年10月、MVNOへの回線使用料は今後3年年間で5割下げるというアクションプランを発表したため、値下げが先送りにされているのです。武田総務大臣は得意げでしたが、このプランを作った総務官僚の意図は、今でも5割下げられるが、大手3社の不利益にならないよう3年かけて緩やかに下げようというものでした。その結果、MVNOの回線使用料の値下げは先送りになっています。総務官僚が天下るのは大手3社ですから、大手3社に恩を売っている(実態は贈賄)構図が見えてきます。MVNO団体の陳情を受けて武田総務大臣もやっとこのことに気づき、値下げを急ぐよう総務官僚に指示したようですが、大手3社は既に新料金プランで申し込みを受け付けており、回線使用料が値下げされてMVNOが新料金を発表しても後の祭りとなるのは確実です。武田総務大臣は威勢は良いのですが、総務官僚の掌で踊っている状態です。高市前総務大臣ではあり得ないことで、武田総務大臣が招いた悲劇です。
ともかく大手3社と総務官僚が談合して少数のユーザーにしかメリットがない新料金で誤魔化そうとしていたとき、楽天モバイルが待ったをかけ、多くのユーザーにメリットがある新料金プランを発表してくれました。これがなければ大手3社と総務省が結託した家計搾取が今年以降も続くところでした。また楽天モバイルの場合、2年縛りはないし、手数料もありません(今だけかも知れませんが)。これまで2年縛りや高い解約金、乗り換え手数料など幾重もの障害を設け、一度契約したら逃げられなかった携帯電話の契約が自由に乗り換えられるようになったのは、楽天モバイルのおかげであり、これを指揮する楽天グループ三木谷社長に感謝したいと思います。微力ながら私はドコモから楽天モバイルに乗り換えました。