山田広報官は接待汚職の象徴として残すべき
菅政権の山田広報官が総務省の審議官のとき東北新社から7万4,000円の接待を受けていた問題で、野党は広報官を辞任すべきと主張しています。私は今回の接待汚職を忘れないためにこのまま広報官を続けさせた方がよいと思います。
山田広報官は安倍政権時代には首相秘書官を務めており、小柄で整った顔の素敵な女性だな思っていました。これまでそんなに話題にはなりませんでしたが、むさくるしい男性に混じって紅一点の存在感がありました。今回総務省幹部4名の接待疑惑が報道されたときには、まさか山田広報官がこの問題の主人公になると予想した人はいないと思います。まあ本人は「やばいな」と思っていたでしょうが。
山田広報官のことがいろいろ報道で取り上げられるようになりましたが、その中で私が感心したのは、「飲み会は断らない」という山田報道官のポリシーです。断れば2度と誘われなくなる、飲み会は人脈を広げるのに重要、その中で誰か自分を見出してくれるかも知れない・幸運に巡り合うかも知れない、だから飲み会には必ず出席するようにしている、というポリシーは、大きな組織で出世する人の多くが実践していることです。これを男性社会の総務省で続けてきたからこそ今の地位があるのだと思います。大企業に入社して出世を目指す若者は是非取り入れたいポリシーです。
今回問題になっている東北新社からの接待を受けたのも山田広報官のこのポリシーの延長上のことだと思われます。もちろん声を掛けてきたのが自分をここまで引き上げてくれた菅首相の長男であったことも影響していると思われます。東北新社側は社長が出席しているようなので、その場で衛星放送の許認可にかかわる話はでておらず、下から稟議が上がってきたときに反対しないようにするための接待だったと思われます。ただし1回の食事で7万4,000円もかかるのは異常であり、東北新社側が菅首相側近として重視していたことが伺えます。そして山田広報官にはそれが嬉しかったことでしょう。
これは国家公務員倫理規定違反であるあることは明白であり、何らかの処分はまぬかれません。山田広報官は辞任を申し出たが官邸が慰留したという報道がありますが、たぶん事実だと思われます。山田報道官はこの地位に就かなかったら、放送・通信関係の大企業の役員に天下っており、収入的には今の地位よりはるかに恵まれていたはずです。また今辞任しても暫くしたら放送・通信関係の大企業の役員に招聘されることは間違いありません。だから山田広報官にとっては今やめるのが得です。それをまた部下を切ったと思われたくない菅首相が引き留めていると思われます。
しかし、昨日(2月26日)菅首相がぶら下がり会見を行い、しつこい記者の質問に切れた様子がテレビで全国に報道されましたが、あれは当初山田報道官が仕切る記者会見の予定だったのが変更されたものと言われています。変更の理由は渦中の山田広報官隠しのためとも言われていますが、これまで山田広報官が仕切った記者会見ではああいう場面はなく、山田広報官の優秀さが改めて浮き彫りになりました。このため山田広報官は続投し、今後は菅首相そっちのけでテレビカメラが追うことになると思われます。そうなると接待疑惑の人として思い出されることとなり、忘れっぽい有権者には良いことだと思われます。だから、山田広報官には9月とも言われる総選挙まで広報官を続けて欲しいと思います。