携帯料金4割値下げ?家計負担は今年5%も下がらない!

NTT、ソフトバンク、auが20Gまで2,980円および2,480円のプランを発表し、携帯料金が大きく下がったような印象がありますが、家計の負担は殆ど下がりません。これは悪辣ら携帯3社と総務省が仕組んだ偽装値下げです。

2月26日発売の日経ビジネスの記事によると、これにより新しい料金体系に移るユーザーは3年後10%ぐらいで、携帯3社にとっては数百億円の減収にしかならいとなっています。

これは新料金プランがネットによる手続きのみであり、ネットに習熟していないユーザーは移行できないこと、新たらしいプランにはメールアドレスや留守番電話機能などが無く不便な機能となっていること、などが原因のようです。

またauの場合、au・UQ mobile・povo間での移行手続きには、契約解除料・番号移行手数料・新規事務手数料はかからないとされていますが、システム的に一旦全額請求され、翌月以降に移行先の料金から同額分が割引されるとなっていますので、これも移行の障害になると思われます。

私はドコモのガラケーから楽天のスマホに乗り換えましたが、送られてくるのはスマホ本体とnanoSIM、それに開通手続き書かれ10ページ程度の説明書だけですので、スマホ初心者には厄介です。私の場合、パソコンを使い慣れており、スマホの取扱説明書をネットでダウンロードして使えるようになりましたが、スマホ開通はショップで行い、操作もショップで習ってきた人は、自分1人ではできないと考え移行しないと思われます。年配のスマホユーザにはーこのタイプが多いと思われますので、新料金体系に移行する人は若者のスマホ操作に詳しい人に限られ、そんなに多くならないという日経ビジネスの記事(携帯3社の予想)はあながち間違いではないと思われます。

携帯3社の新料金はこれまでの料金と比べるとお得感を出していますが、現在の3G~20Gで均して考えると、今の料金とそんなに変わらないのではないかと考えられます。要するに20G近く使うユーザーにとってはお得になったけれど、6割近いユーザーが属すると言われる6Gまでのユーザーにとっては割高であり、携帯3社はここで利益を確保していると思われます。このため、携帯3社の減収は数百億円に留まることになるのでしょう。

ということは、菅首相の「携帯料金4割の値下げ」とは一体何だったのかということになります。武田総務大臣が歌舞伎役者みたいに「数%では値下げと言えない」と言い放ち、それを受けて携帯3社が新料金を発表した結果、家計の負担はわずか数百億円しか減らないのです。見事な偽装値下げと言うことが出来ます。これは総務省の担当官僚が退官後通信3社に天下ることが既定路線になっているため、家計よりも携帯3社の利益を考えているからです。この部門の元トップ(桜井俊元事務次官)は現在電通副社長に就任しており、これを見れば担当官僚は監督先企業のために働いていつか自分も電通に天下りたいと考えます。このことを考えれば総務省の接待汚職は天下りの事前運動とも言えます。もう官僚の仕事を国民全体の奉仕者と考えている官僚はいないのではないでしょうか。少なくとも携帯3社と協力し携帯料金によって家計搾取を図る総務官僚は、鬼畜生であり、国民全体の奉仕者でないのは明確です。