楽天モバイルのカバー率は96%でよい

楽天モバイルは4月30日からiphoneの販売を始めると発表しました。このニュースはネットでもアクセス上位に来ていますので、関心が高いようです。iphoneは昨年日本で販売されたスマホの約46%を占めるそうですから、国民的スマホと言えます。楽天モバイルに入りたいけどiphoneが使えないからという他社ユーザーも相当いたようで、今後はこのユーザーの転入が期待できるようです。

楽天モバイルは今年1月29日にun-limited Ⅵを発表して以来急速に加入者を伸ばし、それまでの220万人から4月8日には390万人になったようです。iphoneが加わったことに加え、今後は資本参加した日本郵政の郵便局で取り扱いを開始することやプラチナバンドの割当、電波カバー率の向上が予想されることから、加入者は年内に1,000万人に行きそうです。

その電波カバー率ですが、3月末で80%程度だそうです。ドコモ、au、ソフトバンクの大手3社が99%と言いますので、この3社のユーザーが楽天モバイルを使うと繋がらなくてどうしようもないという評価だと思います。そのため3社は20Gのデータ通信で楽天モバイル1,980円に対し、2,480円(au、ソフトバンク)、2,700円(ドコモ)という高い料金設定となっています。楽天モバイルはこの夏までに96%のカバー率まで持って行く計画で、その後は99%を目指すと言っています。これに対してソフトバンクの宮内社長(当時)は96%から99%まで行くのに数兆円の資金と相当の時間が必要であり、追い着くのは簡単でないと余裕の体でした。

私は、楽天のカバー率は96%で十分であり、今後は都会の地下街やビルの中など人が多い中での繋がりにくさの解消に力を入れた方が良いと思います。差の3%に含まれるのは、山間部や離島の集落、ゴルフ場、スキー場、キャンプ場などであり、この地域に住む人口は少ないし、都会の契約者でこれらの場所に行く機会は多くないと思います。そういう場所でも繋がらないのは嫌と言う人は大手3社のスマホにすればよいのです。楽天モバイルは、残り3%のユーザーおよび都会の住人でゴルフやスキー、キャンプによく行く人は契約対象から捨てるべきだと思います。そうすればわずか3%のカバー率を上げるために数兆円の投資をする必要がなくなります。その分料金を下げられるはずで、大手3社と料金差で勝負できます。

これにより、全国隈なく繋がるスマホが欲しい人は料金が高い大手3社、そうでなく96%繋がればよいと考える人はその分料金が安い楽天モバイルという棲み分けが生まれます。そうしないと4社が同じようなサービス内容となり、いずれ4社協調によるユーザー搾取が始まります。

楽天モバイルが参入した大義名分は、大手3社がカルテルにより奴隷化したユーザーの解放であったはずであり、それは安い料金によってのみ実現できます。楽天モバイルの契約回線数は大手3社のそれ(約1億6,000万件)からするとまだ微々たるものであり、大胆な差別化戦略が必要です。