コロナ今後は家庭内感染が増加する
政府は4月25日から5月11日までの17日間、東京、大阪、京都、兵庫を対象にコロナ緊急事態宣言を発出するとのことです。これによりこの4県では様々な制約が課されることになります。内容を見ると、(1)酒類の提供やカラオケ設備がある店舗に対する休業要請(2)イベントや催し物は原則として無観客で開催するよう主催者に要請 (3)地下鉄やバスなどの交通事業者に対して平日の終電繰上げ、週末休日の減便などを依頼 (4)建築物の床面積の合計が1000平方メートルを超える商業施設に対して休業を要請、となっていますので、これらの対象事業に携わっている人にとっては死活問題です。
緊急事態宣言は、昨年4月、今年1月に続き3回目です。今年1月のそれは1月13日に発出され3月21日に終了していますので、わずか1カ月で再発出されたことになります。3月の終了に当たって専門家会議では早過ぎるとの声も多かった中での政治決断でしたから、政治決断が間違っていたことになります。今回の緊急事態宣言がわずか17日間となったのは、東京オリンピック開催に向けてIOCのバッハ会長が来日するためその前に終了させておきたいからとの推測も聞こえてきます。ここまで日本の緊急事態宣言の期間が中途半端なのは、何としても東京オリンピックを開催したいという政府の思惑が関係しているようです。
今回の緊急事態は、これまでのように東京のコロナ感染状態の悪化ではなく大阪の悪化が引き金になっています。大阪のコロナ重症患者は276人で確保病床数は283床だそうですから、病床使用率は97.3%(4月23日)となっており、これ以上重症患者が出ても入院できない状況です。日本の場合、病院の病床数は多いのにコロナ重症患者の入院に使えるようになっていないのが問題とかねてから指摘されており、この状態が問題を深刻にしています。緊急事態宣言の内容に大病院には一定のコロナ重症患者向け病床の提供を義務付ける内容が必要な気がします。
コロナがこれだけ深刻化した原因は、変異株が主流になってきたからと言われています。東京都では、コロナ感染者の4分の3は変異株によるもののようです。
この変異株は従来のウイルスに比べ、次の3つの悪い特徴があるようです。
1つ目は感染力が高いこと。
2つ目は重症化や死亡のリスクが高いこと。
3つ目はワクチンの効果が弱まること。
コロナウイルスが無敵化に向け進化していることが分かります。こうなるとコロナウイルスに打ち勝つには、ワクチン接種が行き渡るしかないように思われます。
3月下旬に厚生労働省の職員23人が送別会を開き、その参加者のうち数名がコロナに感染したと言う報道がありましたが、この感染原因は職員に無症状感染者含まれており、マスクをとって話すなかで飛沫に含まれたコロナウイルスが発症に必要な数量以上体内に侵入したためと考えられます。飲食店での多人数での会食により発症するのも同じメカニズムであり、身近な無症状感染者が原因となっています。従って、この身近な無症状感染者を探し出しマーキングし、動かなくすることが対策となります。これは見かけ上の健常者から隠れた病気を探し出す作業であり、毎年職場で行われる健康診断やがん検診と同じです。そう考えると、職場の健康診断にコロナ検査(PCR検査または抗原検査)を導入するのが一番の対策となります。国民健康加入者には健康診断の際に新たな保険証を渡すことにすれば、殆どの加入者が受診することになります。
現在は、多くの国民の体内にコロナウイルスが侵入しており、個人の免疫力や体質により発症するかしないかが分かれていると考えられます。今回の緊急事態宣言で人が集まる場所が閉鎖され、ここでの感染者は減るでしょうが、感染者は家庭にもいるわけで、今後は家庭内感染が増加すると考えられます。