大谷選手がホームランを打てるのはたくさん三振するから
メジャーリーグで大谷翔平選手が大活躍です。5月6日に登板し5イニング無失点と好投した翌7日にはホームランを打ち、メジャーリーグホームラン数トップに並びました。これを見て米国の野球マスコミも大騒ぎです。大谷選手が日本の日本ハムにいたときよりも大騒ぎだと思います。ユニコーン(想像上の怪獣)とか言われて、ヒーロー大好きな米国では新たなヒーローに祭り上げられています。大谷選手は160kmの球を投げるだけではなく、140m以上のホームランをかっ飛ばし、更に盗塁までします。「おいおい、ちょっと待てよ、あんた投手でしょ?」という感じだと思います。メジャーリーグにスーパーマンが下り立った感じでしょう。
現地からの中継を見ていると、大谷選手はとても楽しそうに野球をしています。ホームランを打ったときはすまし顔で相手投手を刺激しないようにしていますが、盗塁したときにはセーフのジェスチャーをするなど派手なアクションもしています。それに相手野手と笑顔で言葉を交わすなど、フレンドリーさが伝わってきます。そんな人柄もメジャーリーグの仲間に伝わり、多くの選手から愛されているように思われます。今シーズンが終わればメジャーリーグのスーパースターの仲間入りは間違いないと思われます。
ピッチングの方は立ち上がりノーコンでハラハラドキドキですが、2回以降それが嘘のような快投が続きます。球速は160kmくらいまで上がって来るし、カーブやスライダー、スプリットはキレキレですから、そう打てません。これでローテンション通りに投げられたらピッチャーとしても一流投手の仲間入りです。
という訳で二刀流と言っても今は打者の方で目立っていますが、打率は270程度と取り分けて高いわけでもないので、ホームラン打者ということになります。今年の打席の大谷選手を見ると、どっしりと構え、ツボに来たらホームランという感じです。ただし、内角や外角低めなどピッチャーとしては三振に打ち取れるコースも多いように思われます。大谷選手は10本のホームランを打ち、メジャーリーグトップのホームラン数を誇るのに、割とフォアボールは少なくなっています(5月7日現在5個)。次がトラウト選手でフォアボールは出せないと言うこともありますが、大谷選手としてもフォアボールで塁に出ることを望んでないようです。6日にレイズの筒香選手と対戦したときにフォアボールとしたことについて、「申し訳なかった、三振を取るか打たれるかが良かったのだけれど」と述べていました。これは大谷選手と対戦するピッチャーの姿勢でもある気がします。大谷選手はホームランも多いですが、三振も多いのです。5月7日時点で見ると、ヒット30本に対して三振30個です。ヒット数と三振数が同じなのです。全打数が110ですから約3打席に1回は三振ということになります。これはピッチャーからしたら、3回に2回は抑え、しかもそのうち1回は三振に打ち取っていることになります。3回のうち1回打たれ、それがホームランということになります。だから大谷選手と対戦したピッチャーは負けたと言う気持ちはないし、勝ったり負けたりの対決を楽しんでいると思われます。これが大谷選手がホームランを打てる背景になっていて、ホームランを打てる環境を大谷選手自身が作り出していると言えます。
こちらも参考に;大谷選手を創った曼荼羅チャートの威力