コロナワクチン、モデルナを先に審査承認すべきだった
現在菅内閣はコロナワクチン接種に邁進しています。1日100万人接種というまるで家畜にワクチンを打つのと同じ状態になっています。ワクチン接種によりここまでの安倍・菅政権のコロナ失政が消し去られると思っているようです。そして強行する東京オリンピックの頃にはワクチンの効果でコロナは下火となり、オリンピック開催の判断が間違いなかったと評価されるようになると考えていると思われます。
この強引なワクチン接種は、ワクチン担当大である河野大臣の発案・指揮と思われ、防衛大臣時代陸上イージス配備計画を1日でひっくり返した剛腕と重なります。見事と言えば見事であり、強引と言えば強引です。さすが偏差値70を超える早稲田卒だけのことはあり、偏差値50以下と思われる安倍首相、菅首相とは知力が違います。
現在日本ではファイザー製ワクチンが中心で、それにモデルナ製ワクチンが加わった状況です。ファイザーとモデルナを比較すると、米国で承認された時期はファイザーが少し早かっただけで、余り差はありませんでした。また効果もファイザー95%に対しモデルナ94%とこちらもあまり差がありませんでした。
ファイザー製については米国での接種に使用され、他国に回されるのは少なくなることが予想できました。またファイザー製は日本で製造される計画がなく、モデルナは武田薬品が国内臨床試験を担当しており、日本に回せる量が増える可能性や、武田が国内で生産する可能性もあったと思われます。従ってそこまで検討して、ファイザーとモデルナどちらのワクチンの承認手続きを早く進めるか判断すべきでした。
今回のコロナ問題では、これは医療の問題だとして厚生省の医系技官の判断に異論をはさめない状況でした。その結果、PCRは世界でも最低レベルに留まり、病床はあるのに入院できないという誰かわざと邪魔をしているとしか思えない状態となりました。医師の世界では、専門領域が細かく分かれており、自分の専門領域以外はアンタッチャブルになっています。そのため医師は全体的判断や政策的判断は他の分野の人に比べ大きく劣ると思われます。なのにコロナ政策を全面的に医系技官に委ねたことがコロナ対策で日本が後進国の水準まで落ちた要因です。
後の祭りになりますが、コロナワクチンの承認手続きは後のことを考えるとファイザーよりモデルナを先に進めるべきだったと思われます。そうすればファイザーより多くの量が確保でき、今頃は国内でモデルナ製ワクチンが生産されていた可能性があります。
現在厚生省では医師の資格をもつ人(医系技官)を事務次官待遇として医療分野の政策を統括させていると聞きますが、医師は前述の通り政策能力が大きく劣るため、この体制は改めるべきだと思われます。やはり医療問題でも政策決定は事務系官僚が望ましいように思われます。