2021年3月末NHKの現金・有価証券は5,595億円ある!
NHKの2020年度決算書が公表されていましたので解説したいと思います。
1.先ず事業収支(損益計算)を見ると事業収入7,121億円、事業支出6,870億円で事業収支差金(営業利益)は251億円の黒字となっています。昨年と比べると事業収入が82億円減少していますが、この内受信料が78億円です。あれだけコロナで苦しみながらみんな受信料を払っていたことが分かります。事業支出は484億円の減少となっています。これはコロナによって番組の制作が中止になったり、中継が無くなったりしたために生じた費用の減少のようです。それに予算で2020年度の事業収支差金を149億円の赤字にして、2020年度の受信料引下げが2.5%で精一杯であると訴えるため、事業支出を膨らませていたこともあると思われます。
コロナで受信料支払者が収入減で苦しむ状況を見たら、収支差金251億円は受信料値下げで支援すべきだと思うのですが、そんな動きは全く見られませんでした。NHKは受信料支払者に感謝の気持ちは全くなく、受信料を取るのは当然と思っていることがはっきりしました。
2.次に貸借対照表で資産状況を見てみます。総資産1兆2,681億円で2019年度より512億円巨大化しています。2020年度は82億円の減収になっているのも関わらず、です。内訳を見ると、流動資産の現金預金・有価証券が775億円増加しています。現金の総額は520億円、有価証券の総額は4,165億円となっています。それに長期保有の有価証券が910億円ありますので、合計5,595億円の現金・有価証券があることになります。これがNHKの余裕資金であり、約10カ月無収入でもやっていける金額です。これだけの余裕資金がありながらNHKは、コロナで苦しむ受信料支払者に対して徴収停止や値下げなどの措置を取らなかったのです。許せないですね。
3.キャッシュフローを見てみます。事業活動によるキャッシュフローは1,429億円のプラス、即ちこれだけ現金が増えたということです。これを投資活動で1,501億円で支出し、年間では約81億円減少したことになっています。事業活動での現金増加の要因は、減価償却費865億円、事業収支差金251億円です。減価償却費というのは建物や放送設備、車両などの固定資産を現金一括で買い、その金額を耐用年数で割って、損益計算書に期間費用として分配計上するものです。これは既に支払っていますので現金支出を伴わない費用であり、この分だけ事業収支差金の利益が少なくなります。従って事業活動で251億円の黒字が出てその分現金が増え、それに加え減価償却費865億円分の現金が社内に残ることになります。それ以外に費用などに計上されているけれど現金は出て行かない勘定があり、2020年度にはトータル1,429億円の現金が増えたことになります。事業活動は現金を増やすことが目的ですから、これがNHKの事業活動の本当の利益ということが出来ます。即ち、NHKの2020年度の本当の利益は1,429億円ということが出来ます。
この現金がそのまま社内に残るわけではなく、将来のための設備等に使われます。それが投資活動で表されています。内容を見ると、固定資産の取得として820億円が支出されています。減価償却費として計上され目減りした放送機器、車両などの固定資産を購入したものと思われます。また長期有価証券取得として500億円支出していますが、貸借対照表上の長期有価証券は殆ど増加していません。その代わり先ほど述べたように流動資産の有価証券が775億円増加していますので、その後振り替えたものと思われます。1,429億円余るから使い切るために多額の固定資産を購入し、余りは内部留保に回すと言う贅沢な経営状態です。
4.結論的には余裕綽々な財務内容であり、コロナで苦しむ多くの受信料支払者とは別世界の様相を呈します。やはりNHKはスクランブル化し、本当にNHKを見たい人だけからの収入で経営するようにすべきです。国民の8割はそれを望んでおり、自民党が阻止しています。次の総選挙で自民党を廃止し、NHKスクランブル化を実現しましょう。
尚、NHKの決算はこちらから見れますhttps://www.nhk.or.jp/info/pr/kessan/