夏野氏が言うべきは「アホな菅」だった
オリンピックの開催方法を巡りネットで多様な意見が飛び交っています。この内有観客や無観客を巡っては、著名人の発言に対して批判が殺到し、発言した著名人が謝罪コメント発表する事態となっています。
問題(話題?)になったのはドコモのiモードの開発者として有名な夏野剛氏のアメーバTVでの発言です。東京オリンピックの無観客か有観客かについての話題の中で、出演者の1人が「子どもの運動会とか発表会が無観客で行われてるのに、なんで五輪はOKなのか不公平感が出る」(だから無観客は当然という趣旨)と言ったことに対し、夏野氏は「これは今年選挙があるからって理由だけだと思いますよ。公平感? ピアノの発表会なんてどうでもいいでしょ。オリンピックに比べれば」「なんだけど、それを一緒にするアホな国民感情に今年選挙があるから乗らざるを得ない。Jリーグやプロ野球だって入れてるんだから。ポリティカルな判断に尽きると思う。まあ、そのうち誰かが金メダル取ったら雰囲気変わると思いますよ」と述べたということです。この発言のうち、「アホな国民感情」の部分が癪に触ったネット民が多かったようです。
たしかに無観客が良いという人を「アホ」呼ばわりしたのは問題です。メジャーリーグなら侮辱したとして打席でデッドボールを食らってもおかしくないと思います。それに「ピアノの発表会なんてどうでもよい」というのも間違っています。国民の大部分は有観客であっても見に行けないわけだし、見に行けたとしても子供のピアノの発表会と重なったら、その判断は難しいものとなります。もし子供のピアノの発表会に行かずオリンピック見学に行ったら一生恨まれることになるかも知れません。
ネットはみんなの意見の場であり、「国民」という集約された存在はいません。1人1人が自分の意見を述べているだけです。無観客が国民の総意でもないし、多数意見でもないと思います。夏野氏も無観客になったのは政府が選挙を考えてのことと述べています。なのに夏野氏はその責任を「アホな国民感情」に押し付けています。夏野氏が「アホ」呼ばわりするべきは選挙のために無観客に決めた菅首相でした。夏野氏はこれが分かっていながら、政府委員も数多くこなし、菅首相の覚えがよいことから、意識的に「アホな菅」と言うべきところを「アホな国民感情」にすり替えています。ネット民の反発はこのような夏野氏の権力者に媚びる姿勢に対してかも知れません。
夏野氏はドコモ時代のiモード開発の1枚看板ですが、iモードも既に失敗という結果に終わっており、もう賞味期限切れです。それなのにテレビなどに引っ張りだこなのは権力者に従順だからであり、また国民目線であったからだと思われます。今回の発言により、iモードと同じく夏野氏も賞味期限切れを迎えると思われます。