自民党2世候補に投票する人は投票奴隷

次の総選挙は今年の10月とも11月とも言われていますが、各党とも候補者が続々と決まっているようです。この中で自民党では2世候補が話題になっています。愛媛1区塩崎恭久衆議院議員の後継に長男の彰久氏が、三重2区川崎二朗衆議院議員の後継に長男の秀人氏が、山口泰明衆議院議員の後継に長男の晋氏が、その他長崎1区では父親が元衆議院議員であった初村滝一郎氏も候補に決定したと言う報道です。

これらを見ると高齢になった政治家は息子をすんなりと後継候補にできるタイミングを見計らって引退を表明しているように思われます。これが始まったのは小泉元首相が突然引退を表明し、後継に長男の進次郎氏を押し込んだときからではないかと思われます。小泉元首相と言えば中曽根元首相に高齢を理由に引退勧告を行った人であり、自分の後継者については世襲にはしないものとばかり思っていました。それが自分が引退を表明し、同情が集まっている中で息子を後継候補に押し込んでしまいました。肉親の情は小泉元首相ほどの合理主義者も押し流すようです。これを見て武部元幹事長もここがチャンスとばかり引退を表明し、息子を後継者に押し込みました。ここから政治家は自分の息子を後継者に押し込めるタイミングを計って引退を表明するようになりました。

引退する政治家はいずれも長い間政治家を務めていますが、投票してきた人たちはこの人に投票して何か良いことがあったのでしょうか?多分顔を見るのは選挙のときだけで、要望を言う訳でもなく、ただ毎回選挙のときはその候補に投票してきただけではないでしょうか。田舎に行けばうちは旧自由党系とか旧民主党系などということが受け継がれている所があり、自民党候補にしか投票したことがないという人がたくさんいます。自民党支持基盤はこのような人たちです。それでもこのような人たちは高齢化しており少なくなっています。現在引退しようとしている議員の年齢以上の人たちではないでしょうか。

こういう中で息子を後継にして当選できると考えるのは難しくなっていると思われます。今年7月の東京都議会議員選挙で自民党は大敗した前回の選挙(25議席)から8議席しか増やせませんでした(33議席)。今回は前回選挙前の50議席を回復するかもと予想されていましたから、自民党は混乱に陥っているようです。今回の引退議員には東京都議会議員選挙の影響もあるかも知れません。高齢が選挙でマイナスになるからです。

息子に譲ることによって年齢のマイナスは克服できたとして、票は付いてくるものでしょうか?私は票も付いてこなくなっていると思います。これまで投票してきた人は、自分の要望が実現したこともなく、投票しても良いことは何もなかったはずです。要望さえ聞いて貰ったことがない人が多いのではないでしょうか。これで投票するのがおかしいのであって、投票してきた人たちは投票奴隷だったと言えます。多くの人が収入が増えない中で、コロナで気分も重たい中で、こんな自分たちの投票行動を反省する人が増えているように思われます。次の総選挙では、投票奴隷に変化が起こります。自民党2世議員はバタバタと落選すると思われます。