オリンピック選手強化は英国を手本に

東京オリンピックは8月8日無事閉幕しました。いつもと違ってお祭り感のない選手の金メダルを目指した純粋な大会になったような気がします。もともとオリンピックはこういうものだったのではないでしょうか。それがスポンサーが増えてきて、大きな会場や他のスポーツのイベントと重ならない時期、多くの視聴者が視聴できる時間帯など制約が増えてきたものと考えられます。私はテレビ中継を見る気にはなれず、もっぱらネットで結果だけ確認していました。

東京オリンピックの日本のメダルで驚いたことは、「これってオリンピック競技?」と言う種目が入っていたことです。先ずスケートボードには驚きました。私にとってスケートボードはスポーツではなく若者の遊びという認識でした。それがオリンピック競技になっていて、それも日本人が金メダル3、銀メダル1,銅メダル1という素晴らしい成績でした。それに西谷椛(もみじ)選手は13歳と史上最年少の金メダリストとなりましたし、銀メダルの開心那(ひらきここな)選手に至っては12歳です。まるでジュニアオリンピックです。

空手は東京リンピック種目に入ることは知っていましたが、型など採点が難しく実際に見るまでは現実感がありませんでした。日本人選手は男子型で喜友名諒(きゆなりょう)選手が金メダル、女子型で清水希容(きょう)選手が銀メダルと空手発祥の地にふさわしい成績を収めました。一方組手の方はメダル0であり、ちょっと残念な結果でした。

結局日本はお家芸の柔道、レスリングを中心にメダルを獲得し、金27個、銀14個、銅17個の合計58個のメダルを獲得しました。金メダルの数では米国の39個、中国の38個に次ぐ3位でした。金銀銅合計のメダル数では、米国113個、中国88個、ロシア71個、英国65個に次ぐ5位となっています。

この中で私が注目したのは英国です。私の記憶では英国は2012年のロンドンオリンピックを目指し強化を始めています。その結果2008年の北京オリンピックで47個だったメダル数がロンドンオリンピックでは65個に増えています。日本が2016年のリオデジャネイロオリンピックの41個から、東京オリンピックで58個まで増やしたのと似ています。英国で注目すべきは2016年のリオネジャネイロオリンピックのメダル数67個、東京オリンピックも65個と地元開催のロンドンオリンピックのメダル数を減らしていないことです。これは強化が根付いているためと思われます。

日本の人口(1億2600万人)は英国(6800万人)の約2倍であり、人口1人当たりで見れば130個あって英国並みということになります。従って東京オリンピックのメダル数58個はまだまだ少ないということになりますので、英国を手本にして強化を継続して頂きたいと思います。