アフガン撤収作戦で分かった国防力でも韓国に負けている

自衛隊はタリバンが政権を奪取したアフガニスタンから邦人や支援者約500人を退避させるため8月24日輸送機3機を隣国パキスタンに派遣し、カブール空港から運び出す準備を整えていました。しかし8月27日に空港近くの米軍が警備するホテルでイスラム国兵士による自爆テロが発生し、退避する邦人らはカブール空港に到着できない状況になり、1人の邦人と米軍の要請による14人のアフガニスタン人を運んだ以外輸送できない状態になっているようです。

一方、韓国では8月17日までに現地に残る韓国人全員の退避を完了させ、さらに8月26日には現地で韓国政府に協力したアフガニスタン人とその家族377人を韓国に輸送しています。この作戦の難しさはカブール市内に散らばるアフガニスタン人をカブール空港に集めることだったようです。他の国も同じことをやっていたためバスの確保が難しく、またカブール空港までの道路にはタリバンが検問を敷いており、無事通過するためには政治力が必要だったようです。韓国は米軍の協力を得てバスを確保し、米軍にタリバンと交渉してもらい検問を無事に通過して全員をカブール空港に集めることが出来たようです。イスラム国のテロが翌日だったという幸運はありますが、カブール空港に集めるまで韓国軍が関与していることは、作戦に一貫性があります。それに対して自衛隊は、空港まで来るのは退避者まかせにしたことで、成果が出ていません。そもそもカブールの日本大使館関係者12人は17日に英国軍機でドバイに退避し、JICAの関係者も避難していましたので、この時点で残っている日本人は6人だったそうです。米国や英国、ドイツなど航空機を派遣し、避難民を輸送する中で、日本も参加したという足跡を残さないといけないとなったものと思われます。イラク戦争の際、130億ドルの資金支援で済まそうとしていたところ米国のアーミテージ国防副長官から「show the flag」と言われ、自衛隊をイラクに派遣したことと重なります。米軍がアフガニスタンから突然撤退し、アフガニスタンがタリバン政権に代わったことから、米軍と同盟関係にある、というよりは米軍に守ってもらっている国は、我先に「show the flag」を示す必要性に迫られました。その結果、韓国と日本は同時に輸送機をアフガニスタンに派遣することになったものと思われます。

しかし成果にこうも差が出たことは、常に北朝鮮との軍事衝突を想定している韓国軍と、現在軍事衝突の危険が存在しない自衛隊の能力の差が出たとも言えます。

韓国は最近重要な経済指標で日本を抜き、経済では日本を抜いたという国論になっています。これは国際機関の確かな経済指標に基づくものであり、認めざるを得ません。そんな中で今回アフガン撤収作戦でも日韓で成果にこのような明確な差が生じたことは、国家の質として日本は韓国に抜かれていると言えます。両国の防衛費はほぼ同額(日本約5兆3千億円、韓国約5兆1千億円)ですが、北朝鮮と言う身近な脅威と対峙する韓国の軍事力は、災害救助の場面でしか出番がない自衛隊の軍事力を凌いでる可能性が高いと思えます。韓国は中距離ミサイルや潜水艦発射ミサイルも持っていますし、3万等級の空母や原子力潜水艦の保有を計画しています。こうなると将来軍事力で日本を凌ぐのは確実であり、2度の日本の侵略に対し恨みを持っていることから、身近な脅威となります。韓国と衝突すれば南からは中国が、北からロシアが呼応して日本を攻めてきます。そうなると米軍の支援なしには太刀打ちできません。米軍もアフガニスタンで分かったように、自分の国を自分で守る実力と気概がない国を守ることは有得ません。即ちいざとなれば日本は米軍に見捨てられる可能性が高いと言えます。

今のようなリアリティのない作文国家では、日本はこの先生き延びられないと思われます。そんなことが明らかになった自衛隊のアフガン撤収作戦失敗でした。