新聞・テレビの政治部記者は生産性ゼロ
最近新聞・テレビの報道は自民党総裁選一色です。菅首相の再選が有力見られていましたが、9月3日菅首相は総裁選に立候補しないと発表しました。この結果二階幹事長の交代人事もなくなったようです。これにより一番困っているのは二階幹事長だと思います。それは今回の幹事長交代は二階幹事長から持ち掛けたものだからです。というのは、二階幹事長は82歳と高齢であり、記者会見の様子を見れば分かるように、幹事長の職務に耐えられなくなっていました。このままでは幹事長在職中に亡くなることも考えられる状況でした。二階幹事長には後継含みで秘書にした3男がおり、今回の総選挙で自身は引退し3男を後継候補とすることを考えていると思われます。しかし幹事長のままでは、引退を表明し3男を後継にすると発言する訳には行きません。それができるのは幹事長引退後です。そのためできるだけ早く幹事長を交代したかったと考えられます。それが幹事長交代人事の背景です。こうなると総裁選後まで幹事長に留まることになり、総選挙まで時間がなくなります。その分3男の選挙態勢作りが遅れることになります。そのため9月初めの幹事長交代がなくなったのは二階幹事長には痛手です。
菅首相が総裁選に出馬しないと発言すると、新聞・テレビは各局ともこの報道一色になりました。単に一党の党首選びのことであり、新聞ならその旨1行書き、テレビならそのニュースで一言伝えればよいことです。日本にとって対して影響ありません。
それなのにこれが報じられた直後テレビのワイドショーはこの内容を1時間以上に渡って報じました。菅首相は自民党の臨時役員会で次の総裁選には出馬しないと発言し、役員は承っただけで、この間10分と言われていましたから、伝えられることはわずかです。それなのにテレビは1時間も引っ張っていました。引っ張り方はテレビ局の政治部長や政治部記者、政治評論家などが根拠のない推測を述べ、コメンテーターがそれを膨らませます。要するに架空の前提に架空の話を積み上げて行きます。あっという間に一話の架空物語の誕生です。
これって非常に非生産的だと思われます。新聞やテレビでも社会部や経済部は社会や経済界で生じた事実に基づいた報道ですが、政治部は殆どが記者の推測に基づく報道です。これって実体がなく藪の中の出来事と言えます。これを知ったところで新聞を読む人やテレビを見る人にプラスにはなりません。時間を消費しているだけです。
今回の件で麻生財務大臣に取材に来た政治部の記者に対して、麻生財務大臣がいつもの毒舌で「最近はコロナのニュースばかりで政治部記者の出番はなかったから、君らもやっと出番が来てうれしいだろう」みたいな発言をしたようですが、その通りだと思います。新聞・テレビの政治部記者のはしゃぎぶりは異常です。新聞・テレビのこんな異常状態が自民党総裁選が終わるまで続くかと思うと嫌になります。
政治部記者が張り切るのはもう1つ理由があります。それはテレビと新聞は自民党から特権を得ており、次の総選挙で自民党に勝ってもらわないと困るからです。テレビは格安の電波使用料となっており、新聞は購読料に消費税の軽減税率(8%)の適用を受けています。これは自民党にとってテレビと新聞が2大広報機関であり、特権を与えておけば自民党応援報道を行うからです。政治部は政治家と接し、これらの特権を守るための営業マンの役割を果たしています。これを金額に直すと数百億円になるので、政治部記者の経費は軽くペイします。そのためテレビ・新聞とも今後総選挙に関する報道を五月蝿いくらいします。自民党を勝たせ、自分らの特権を守るためです。有権者はこの事実を知り、テレビと新聞の報道を真に受けないことが大切です。
誰が自民党総裁になっても自民党のヘドロ体質は変わりませんから、次の総選挙では自民党を廃止する必要があります。