国土交通省を公明党の植民地から解放する必要がある

岸田政権が誕生しましたが、国土交通大臣には公明党の斎藤鉄夫副代表が就任するとの報道です。斎藤氏は次の総選挙で辞職した自民党の河合克行衆議院議員に代わって広島3区に立候補することになっており、集票対策と思われます。

国土交通大臣は2012年12月の安倍第2次内閣発足から約9年間、3代に渡って公明党所属議員が大臣となっています。初代が太田昭宏衆議院議員で約3年10カ月、2代目が石井啓一衆議院議員で約4年、そして3代目が現在の赤羽一嘉衆議院議員で約1年です。これを見ると自民党と公明党の連立政権では国土交通省はまるで公明党の植民地です。公明党は言わずと知れた創価学会の政治団体と言える存在で、公明党の所属議員は全員学会員だと思われます。国土交通省において公明党議員が3代、約9年に渡り大臣を独占しているということは、幹部人事や採用で偏った人事が行われている可能性があります。中央官庁の幹部人事には大臣の意向が反映されると言いますし、公務員の採用においては、1次試験は厳格に行われていますが、2次以降の採用にかかる選考は、有力者の推薦がものをいうのは常識です。国土交通省地方局の職員の採用でも公明党関係者の影響が大きくなっている可能性があります。また国土交通省は巨額の公共予算を扱っており、学会関係業者が優遇されている可能性があります。

公明党は自民党と連立を組んだ当初は「福祉の党」を標榜し、厚生労働大臣ポストを確保していました。医者出身の坂口大臣はまだ記憶にあります。その後公明党の得票数が減少し始めると国土交通大臣のポストを取り始めたように思われます。支援者から「連立政権を組んでいるのに見返りがない、もっと見返りをよこせ」との声が強まり、利権が多い国土交通省に魅力を感じたのではないでしょうか。最近の公明党を見ると、経済的利益の確保に血眼なように見えます。例えば昨年コロナ給付金を支給する計画が持ち上がった際には、必要な人に必要な額を支給することで閣議決定まで済んでいたのを、公明党の山口代表が安倍首相に談判し、国民一律10万円支給に変更させました。これは参議院静岡補選公示日の翌々日のことであり、受け入れないと静岡補選では協力できないと迫ったものと思われます。選挙が命の安倍首相の弱みを突いた見事な作戦でした。山口代表がここまで阿漕になったのは、学会員から財務支援(選挙資金の提供)を受けており、これを返そうとしたものと考えられます。公明党は次の総選挙の公約として18歳以下の子供に一律10万円を支給することを掲げており、同じパターンです。選挙の前であることを考えると給付金による買収行為にも見えます。その後アベノマスクが問題になったときには、マスク製造を受託した企業の1つはマスク製造経験のない学会員が代表を務める企業であり、公明党の後押しが推測されました。その後公明党の山口代表は福島県の公明党大会で「デジタル庁を福島県につくったらいかがでしょうか、と総理に申し上げた」と述べ、公明党の力でデジタル庁の本部を福島に誘致するとぶち上げました。ここまであからさまに利権誘導を行う党首は他に見られません。こういう公明党の姿勢を見ると国土交通省は公明党の利権の巣窟になっている可能性が高いと思われます。東京都議会議員選挙の際には、赤羽大臣が何度も幹部を引き連れ都内の国土交通省所管の公共施設を見て回り、公明党の貢献をアピールしています。このように公明党は、国土交通省は公明党の影響下にあることを積極的に利用しています。

この影響は、次の総選挙で自公政権が崩壊し、野党政権となれば明らかになります。国土交通省を公明党の植民地から解放するためにも、次の総選挙では自公政権を廃止に追い込む必要があります。