斎藤国交大臣で今度は広島を公共工事で買収?

岸田内閣の顔ぶれが出揃いました。岸田首相が事前に言っていたように老壮青の構成にはなっているようです。しかし老については、二之湯国家公安委員長は77歳で来年の参議院選挙には出馬しないと言っていますし、金子農水大臣も同じく77歳で、来年の参議院選挙には出馬しないと思われ、慰労のための大臣就任のように思われます。青については、小林経済安全保障担当大臣および牧島デジタル担当大臣とも甘利幹事長の指名と思われ、岸甘政権の様相が伺えます。あと何故この議員がこの大臣ポストという人事が多いように思われます。例えば鈴木財務大臣は財政金融は素人ですし、後藤厚生労働大臣も厚生労働通とは言えません。岸田首相は自分がそうであったように、大臣は官僚の振り付け通りに動けばよいと考えているようです。米国や欧州の国を見ると、大臣には所管の分野についてはプロ中のプロと言える人が就任しており、岸田首相のやり方は日本が没落した原因を踏襲しています。このため国民に岸田政権はやりそうという期待を与えることが出来ず、低調な支持率となっているように思われます。

こんな中で私が一番驚いたのは公明党の斎藤副代表を国土交通大臣にしたことです。国土交通大臣は2012年12月の安倍第2次内閣発足から約9年間、3代に渡って公明党所属議員が大臣となっており、ほぼ公明党の植民地です。初代が太田昭宏衆議院議員で約3年10カ月、2代目が石井啓一衆議院議員で約4年、そして3代目が現在の赤羽一嘉衆議院議員で約1年です。これからすると赤羽大臣の続投が普通です。それを斎藤氏にしたのには何か意図があるはずです。これは広島をウォッチしている人ならすぐ分かります。それは斎藤氏が次の総選挙に広島3区から出馬することになっているからです。広島3区は2019年7月の参議院議員選挙で買収行為を行ったとして起訴され、自民党衆議院議員を辞職した河合克行氏の元選挙区です。公明党の支持基盤である創価学会員からの得票だけでは当選できず、自民党支持者に投票してもらう必要があります。しかし自公協力は片務的であり、創価学会員は公明党候補がいない場合自民党候補に投票しますが、自民党支持者は自民党候補がいなくても公明党候補には投票しません。それは公明党が創価学会という宗教団体の政党だからです。だから斎藤氏も今のままなら落選すると予想されます。そこで考え出されたのが斎藤氏の国土交通大臣就任です。斎藤氏が当選したら公共工事が増えて広島3区が潤うという想像を掻き立て、広島3区の自民党支持者を斎藤氏に投票するように仕向ける算段です。

これは2019年7月の参議院選挙における買収事件と同じ企みです。2019年7月には現金で票を買いましたが、今回は公共工事の大番振る舞いの期待で票を買おうとするものです。これは現金を渡しているわけではないので、公職選挙法が禁止する買収には該当しませんが、利益を想像させて票を獲得するものであり、人間の欲得に働きかける邪悪なやり方です。

2019年7月の参議院選挙では自民党の新人候補に自民党本部から1億5,000万円の選挙資金が支給され、これが買収資金となった疑いが濃厚です。同時に立候補していた自民党現職候補に支給された選挙資金は1,500万円であり、新人候補には異常な額が支給されたことが分かります。これだけ支給すれば買収などに使われることが容易に想像できますので、支給を決定した自民党幹部は広島では買収が横行していることを知っていた人物だと思われます。そして今回選挙直前にこの選挙区に立候補することが決まっている候補を国土交通大臣に就けたことは、現金に代えて公共工事への期待で票を得ようとする意図であり、広島3区の有権者を舐めているとしか思えません。広島3区の有権者に置かれましては、この候補者に投票せずプライドを示して欲しいと思います。