自民党公認はコロナ在宅殺人の指名手配
10月19日に総選挙が告示されます。菅首相なら安倍政権の破廉恥な政治に対する審判として、自民党大敗、政権交代間違いなしでしたが、まさかの岸田首相誕生によって気迷いが生じています。安倍首相より遥かに知性がありそうな岸田首相を見て、少しやらせてみたらと考える有権者が増えているように思えます。それを後押ししているのが頼りない野党立憲民主党です。立憲民主党からは国のビジョンが見えてきません。
それでも安倍政権7年8カ月で嫌な思いをした人は多く、自民党が大幅に議席を減らすことは間違いありません。注目は減少幅で、2割減なら御の字、3割減でもかろうじて合格だと思います。最悪自公で過半数割れもあると思われます。
今回の総選挙はコロナ禍中であり、コロナに苦しめられた人たちの投票行動が鍵となります。飲食や宿泊業界は、営業規制や行動制限により多大の損害を被っていますので、自民党への反感が強いと思われます。もう一つ自民党への強い反感があると思われるのは、コロナに感染したけれど入院ができず、在宅療養に追い込まれた人たちです。この中には死亡した人も200人以上おり、家族や関係者の無策な自民党に対する怒りは大きいと考えられます。コロナは感染症法上2類に分類され、感染した場合保健所に報告し、保健所の指示に従うことが義務付けられています。即ちコロナに感染したら国家の管理下(保護下)に入ることになります。保健所はコロナ感染者を入院隔離するものとし、入院病床として公立病院や大学病院を中心に必要と予想される数を確保していました。しかしコロナ感染者の増加に伴い確保した病床数では不足し、厚生労働省は先ず軽症者はホテル療養でも良いこととしました。ホテルの場合、食事も提供され、症状の急変もフロントに連絡できることから、療養中に死亡した例はなかったと思います。その後更に感染者が増えたことから、自宅療養でも良いとしました。自宅療養の場合、家族への感染が心配され、1人住まいの場合、食事の確保および急変した場合の連絡が問題となります。厚生労働省はこれらに対して十分な対策を実施せずに自宅療養を増やして行きました。その結果自宅療養中の死亡者は200人を超えています。
コロナ流行までの感染症体制は平時の体制であり、コロナ流行と同時に緊急時の体制に移行する必要がありました。そのためには感染症法を改正し、入院病床を民間病院に提供させる義務を負わせる必要がありました。これまで何度かコロナによる医療崩壊が叫ばれましたが、それはコロナ感染者の入院を受け入れているわずかな病院の状態です。公立病院や大学病院、一部の民間病院であり、医師会加盟の民間病院の多くは入院を受け入れていません。それは感染症法上受入れ義務がなく、もし善意で受け入れて院内感染が生じたら倒産に至る可能性があるからです。従って政府(国)としては感染症法を改正し、民間病院にも感染症患者の受入れ義務を定めて、かつこれにより損害が発生したら補償する制度を設ける必要がありました。しかし政府はこれをしていません。それは日本医師会が反対したからであり、政府は国民の命より日本医師会の意向を重視したことになります。日本には人口1,000人当たり13床の病床があり、先進国中トップと言われています(OECD報告書)。これによると日本全国に約160万床があることになります。最近厚生労働省が調査した確保済みのコロナ病床数は約4万床となっており、全病床の約2.5%に過ぎません。これで入院病床が足りないと言う方がおかしいのです。国民が飢えに苦しんでいる中で、備蓄食料が大量にあるのに放出しない状況と同じです。食料なら暴動が起きています。コロナの場合、自宅療養者には抗議する元気もなく、感染していない人は自分のこととして考えられないため、この問題は放置されていますが、人道問題です。
コロナが感染症法上2類に分類され、保健所の指示に従う(国の管理下・保護下に入る)以上、国には入院させるなど命を救うために全力を尽くす義務があります。保健所の指示に従い入院治療した結果亡くなった場合には、国は義務を果たしたと言えますが、全国に約160万床の病床がある中で十分な病床を確保せず自宅療養中に亡くなった場合は、国の不作為による殺人(保護責任者による殺人)とも言えます。この責任は一次的には安倍・菅政権にありますが、二次的には感染症法の不備を認識しながら政府に改正を求めなかった自民党議員にあります。即ちコロナ在宅死は自民党による殺人であり、総選挙における自民党公認は、コロナ在宅殺人犯の指名手配と同じです。