NHKスクランブル化を望むなら自民党に投票しないこと
岸田首相が施政方針演説を行いましたが、その中にNHKスクランブル化は入っていませんでした。高市政調会長が中心になって作成したと言われる自民党の総選挙公約の中にも全く見られません。高市氏は自民党総裁選の中でNHKBSは公共放送とは言えず、これを受信料として徴収するのはおかしいと言っていましたので、自民党の総選挙公約の中にこの是正が入ることを期待していたので、がっかりです。
2020年度のNHK決算を見ると、事業収入7,121億円、事業支出6,870億円で事業収支差金(営業利益)は251億円の黒字となっています。昨年と比べると事業収入が82億円減少していますが、この内受信料は78億円です。あれだけコロナで苦しみながらみんな受信料を払っていたことが分かります。事業支出は484億円の減少となっています。これはコロナによって番組の制作が中止になったり、中継が無くなったりしたために生じた費用の減少のようです。コロナで受信料支払者が収入減で苦しむ状況を見たら、収支差金251億円は受信料値下げで支援すべきでしたが、そんな動きは全く見られませんでした。NHKは受信料支払者に感謝の気持ちは全くなく、受信料を取るのは当然と思っていることがはっきりしました。
資産状況を見ると、総資産1兆2,681億円で2019年度より512億円巨大化しています。2020年度は82億円の減収になっているのも関わらず、です。内訳を見ると、流動資産の現金預金・有価証券が775億円増加しています。現金の総額は520億円、有価証券の総額は4,165億円となっています。それに長期保有の有価証券が910億円ありますので、合計5,595億円の現金・有価証券があることになります。これがNHKの余裕資金であり、1年間無収入でもやっていける金額です。これだけの余裕資金がありながらNHKは、コロナで苦しむ受信料支払者に対して受信料の徴収停止や値下げなどの措置を取らなかったのです。
キャッシュフローを見ると、事業活動によるキャッシュフローは1,429億円のプラス、即ちこれだけ現金が増えたということです。これを投資活動で1,501億円支出し、年間では約81億円減少したことになっています。事業活動での現金増加の要因は、減価償却費865億円、事業収支差金251億円です。減価償却費というのは建物や放送設備、車両などの固定資産を現金一括で買い、その金額を耐用年数で割って、損益計算書に期間費用として分配計上するものです。これは既に支払っていますので現金支出を伴わない費用であり、この分だけ事業収支差金の利益が少なくなります。従って事業活動で251億円の黒字が出てその分現金が増え、それに加え減価償却費865億円分の現金が社内に残ることになります。それ以外に費用などに計上されているけれど現金は出て行かない勘定があり、2020年度にはトータル1,429億円の現金が増えたことになります。事業活動は現金を増やすことが目的ですから、これがNHKの事業活動の本当の利益ということが出来ます。
この現金がそのまま社内に残るわけではなく、将来のための設備等に使われます。それが投資活動で表されています。内容を見ると、固定資産の取得として820億円が支出されています。減価償却費として計上され目減りした放送機器、車両などの固定資産を購入したものと思われます。1,429億円余るから使い切るために多額の固定資産を購入し、残りは内部留保に回すと言う贅沢な経営状態です。
このようにNHKは余裕綽々な財務内容であり、コロナで苦しむ多くの受信料支払者とは別世界の様相を呈します。やはりNHKはスクランブル化し、本当にNHKを見たい人だけからの収入で経営するようにすべきです。スクランブル化すればNHKと今の受信料で契約する人は3割程度と予想され、2,000億円程度の収入になります。これは国民にとっては5,000億円の減税になるということです。NHKスクランブル化は国民の多くが望んでおり、これを自民党が阻止しています。NHKスクランブル化を望む人は、次の総選挙で自民党以外の党に投票し、自民党を廃止に追い込みましょう。