岸田首相で開成の評価がガタ落ち?

岸田首相は開成高校出身の初の首相として注目されています。開成高校と言えば毎年東大合格者トップの日本一の秀才が集う高校です。東京では長らく開成高校、麻布高校、武蔵高校を私立高校御三家と言って来ましたが、その中でも開成高校は図抜けた存在でした。しかし麻布高校OBから橋本龍太郎首相、福田康夫首相、武蔵高校OBから宮沢喜一首相が出ているのに、開成高校OBからは1人の首相も出ておらず、首相の誕生は開成高校OBの悲願だったと言われています。

私は東京に出て初めてこの私立御三家の存在を知りました。東京でも普通の企業に勤めていていたら、この御三家出身者に合うことはないと思います。それはこの御三家出身者は医師、弁護士、公認会計士、官僚になる人が多く、民間企業でも好待遇の超一流企業が多いからです。私は麻布高校出身者(東大)1名とだけ職場の同僚になったことがあります。見たままに利発で、性格も良く、好人物でした。賢そうな子供がそのまま大人になった感じです。ただし清濁併せ飲むというタイプではないので、玉石混交な社会の縮図のような普通の会社では偉くなるタイプではありませんでした。彼らの活躍の場は、学力ピラミッドの上部20%が集まった組織ではないでしょうか。

ここで岸田首相ですが、開成高校出身だということで期待したのですが、がっかりです。先ず自分の考えがありません。岸田首相は、自分の長所は人の話をよく聞くことだと言っています。こういう人は、開成高校、と言うよりは東大合格者が多い進学高校出身者としては希少かも知れません。というのは、進学高校出身者は自分は頭が良いと思っており、それをアピールするため話すのは得意でも、人の話を聞くことは不得意という人が多いからです。ここから岸田首相は自分を頭が良いとは思っていないように思われます。それは岸田首相がネタとしている「自分は東大に3回落ちた」からでも分かります。しかし、自分で考えることは、頭が良い悪いとは別の問題です。例えば、9月の自民党総裁選に立候補し、ネット民の絶大な支持を集めた高市早苗議員は神戸大卒であり、東大卒ほど頭は良くないと思われます。早慶にも合格していたと言いますから、岸田首相並みと言えます。しかし高市氏が提示した政策は良く考えられたものとなっており、ネット民を驚かせました。これから分かることは、高市氏は考えることを続けてきたから考える力がつき、岸田首相は考えることを放棄したから考える力が退化しているということです。

開成高校OBでは東大クイズ王の井沢拓司氏が有名ですが、どうも開成高校OBは聞くこと、知識を吸収することは得意でも、自ら考えて新しい物や事を作り出すのは得意でないように感じられます。その証拠として開成高校OBからノーベル賞受賞者は1人も出ていません。岸田首相はこの開成高校OBの典型のように思われます。開成高校OB初の岸田首相誕生は、この開成高校の弱点を浮き彫りにしたように思われます。今後日本のトップリーダーを目指すなら開成高校は望ましくないと考える若者や保護者が増えてもおかしくありません。