かかりつけ医制度は開業医のための制度
12月の日経電子版に「かかりつけ医どこに コロナ下、診療受けられぬ患者続出」という見出しの記事がありました。記事を続けると
「健康に関する住民の相談をなんでも受けつけ、自ら治療したり専門医を紹介したりするプライマリ・ケア。「かかりつけ医」としてその役割を担うはずの診療所の多くが、新型コロナウイルスの流行下で発熱患者の診察や自宅療養者への往診を拒んだ。医療へのアクセスを閉ざされた患者が続出した現実は改革が急務であることを示している。」
となっています。
私はこの記事を見て「やっぱりな」と思いました。私が日頃開業医に対して持っていた感想と同じだったからです。私は会社を退職後初めて開業医にかかるようになりました。それまでは会社の診療所や契約病院にしかかかったことがありませんでした。これらは検査機器も揃っていて、医者も良く訓練されていました。開業医にかかり始めて先ず驚いたことが検査機器の少なさです。自分の専門分野の1つか2つの検査機器しかないところが多いです。それに人手が少ないためかそれらの検査も碌にせず診断し、薬を処方します。更にまともな問診もありません。まるで占い師のようです。会社で科学的な思考を叩きこまれている者としては、こういう開業医の診断や処方を俄かに信じることはできません。それに加えて態度が横柄な医者が多いです。会社の診療所の医者は大学病院や大きな病院から派遣されており、態度も管理されています。それに対して開業医は王様のようです。密室で絶対的な上下関係で、患者に気に食わない言動や態度があると一気に不機嫌モードになる人がいます。細かく質問すると中には怒り始める医者がいます。そこで別の開業医を受診することになります。しかしどこも似たようなものです。
コロナ期間中にも皮膚科の開業医を受診しましたが、とても嫌な思いをしました。徒歩1分くらいの近場のクリニック(初診)だったため、ついマスクを忘れてしまいました。そこで受付で「マスク忘れたのですがいいですか?」と尋ねました(待合室には他に患者1名だけ)。すると受付の看護師がちょっと考えてから「いいですよ」と言いました。そこで暫く待合室で待って診察室に入りました。入ると直ぐに私は開業医に「マスクを忘れてしまいました」
と言いました。すると開業医は顔をしかめ嫌な顔をして、「椅子に座って」と言いました。そこで私は目の前の椅子に座り、足の甲の患部を見せるため椅子を開業医に近づけました。すると開業医は大きな声で「離れて!」と怒鳴りました。私はびっくりして後ろに下がりました。それから医者は離れた位置から覗き込むように患部を観察し「ただれだね。薬を出しておきます。」と言いました。その後部屋を出る際には「マスクはしっかりしないと人の迷惑になるから」と説教を垂れました。更に調剤薬局に行って分かったことは、単なるただれにも関わらず大きなチュウブ入りの塗薬に加え、飲み薬も処方していたことです。私は問診票に心臓保護薬(不整脈の治療)と降圧剤を飲んでいることを申告しており、普通なら相互作用が心配される内服薬は処方しないところです。この頃開業医はコロナで患者が減少していることが報道されていましたので、これを埋め合わせるため過剰な薬を処方したものと思われました。これで私の開業医嫌いは確固なものとなりました。これ程横着で低技能の職業人はいないと思います。
かかりつけ医制度はこんな開業医を保護し太らせる制度以外の何物でもありません。そもそも患者のことを考えれば検査設備が整った病院で検査を受けるのが一番です。その結果異常無ければ安心ですし、薬を飲むだけでよければ開業医に回せばよいのです。いきなり開業医では見つかる病気も見つかりません。それに王様をお世話する患者も大変です。
良い開業医には自然と患者が集まり、かかりつけ医が形成されますので、国が制度化するのは間違いです。