次の維新の代表には菅元首相がよいのでは?

日本維新の会(以下維新)は昨年10月の衆議院総選挙で41議席を獲得し、大躍進しました。しかし今後を展望すると、松井代表が大阪市長の任期が切れる2023年4月で政界引退を表明しており、次のリーダーが見当たりません。維新の創設者の1人である橋本弁護士はすっかりテレビのコメンテイターが本業化し、政界復帰はありそうにありません。それと維新の足立政調会長と文書交通費を巡ってツイッターバトルを繰り広げるなど今の維新をまとめる度量はなさそうです。大阪維新の会代表の吉村大阪市長は、人気は全国区化してきましたが、維新の曲者議員をまとめられるか不安があります。その他の維新議員は帯に短し襷に長しの様相です。

そこで短期の繋ぎとして面白い政治家が浮かびました。それは菅元首相です。菅氏の首相の任期は約1年間で、任期中は言葉不足でマスコミに批判され、国民人気はイマイチでしたが、携帯料金の引き下げやコロナ予防接種の促進、デジタル庁の開設を成し遂げ、退任後は仕事士だったという評価を得ています。菅氏は国家の構想力はありませんが、個別課題の解決力は目を見張るものがあります。

維新は行政改革・議会改革などの身を切る改革を唱える現状改革の党であり、それは菅元首相の強みと一致します。私は、菅首相は昨年9月の自民党総裁選に出馬せず、河野太郎衆議院議員を総裁に推薦し、河野氏が敗れた場合は政界を引退すると予想していましたが、引退はありませんでした。どうも首相在任中にやり残したことを実現したいようです。それはコロナ対策で露呈した厚生労働省の肥大化による機能不全の解消=厚生労働省分割、7~8月の豪雨で判明した河川やダムの国・地方公共団体管轄の見直しなどと思われます。このような個別的現状改革は維新のやり方と同じであることが分かります。ならば総務省を始め官庁に顔が利いて、自民党にも仲間が多い菅元首相を維新の党首に頂いて、多くの改革を成し遂げることが考えられます。菅元首相は昨年の衆議院総選挙で多くの自民党議員の応援に入っていますが、聴衆の評判は良かったと報道されています。維新は大阪・兵庫中心に西日本で人気がありますが、関東などの東日本ではイマイチであり、菅元首相が代表となれば神奈川・東京を中心に東日本でも存在感が増すことになると考えられます。こうして次の総選挙では100前後の議席を獲得し、自公連立政権を終わらせ、自公維新連立政権になると予想されます。こうなれば維新の政策の多くが実現することになります。

大阪府市は菅元首相の補佐官だった和泉氏を特別顧問に招聘したということですので、維新と菅元首相のパイプは繋がっていると考えられます(和泉氏は今年の参議院選挙に維新の比例区で立候補?)。維新の代表に菅元首相が就任することは、維新・菅元首相にとって共にメリットがある良い組み合わせだと思われます。