岸田政権で官僚人気が復活する!

今年から安倍・菅政権で凋落した官僚人気が復活しそうです。というのは、岸田首相初め、松野官房長官、茂木幹事長と内閣の幹部が官僚と遜色ないくらい高学力で、官僚とシンクロするからです。岸田首相は早大卒ですが高校は官僚に多い開成高校卒ですから、共に同じレベルという認識があります。松野官房長官は早大卒ですが、官僚と敵対するタイプではありません。茂木幹事長は東大卒で国会議員で一番頭が良いと言われており、外相、経産相のとき官僚が理解の速さに舌を巻いたと言われています。このように官僚にとっては、身内と仕事をするような関係になっています。そのため半導体関係の支援策を見れば分かるように、官僚が自分らの政策立案能力を存分に発揮するようになっています。コロナ対策でも以前は尾身会長の諮問委員会が実質的な決定機関となっていましたが、今では決定はあくまで岸田首相が行い、諮問員会は意見を聞くだけの本来の関係になっています。これは岸田首相以下岸田政権の幹部が官僚と同じレベルで考えられるからであり、お互いに信頼関係があるからです。

一方安倍・菅政権ではどうだったかというと、安倍首相と菅首相は自分に尽くす官僚を重用し、幹部に登用しました。仕事が出来るか出来ないかの前に、自分に全面的に尽くすかどうかで官僚を峻別していました。安倍政権では今井首相秘書官を中心として安倍派官僚を形成し他の官僚が仕事で取り入る余地は少なかったと言えます。その結果、安倍首相に尽くした官僚は安倍首相の不祥事の尻ぬぐいとして退官する例が続出しました。森友事件で安倍首相および昭恵夫人の関与を隠すために議事録偽造を指示した佐川財務省理財局長、加計学園獣医学部問題で国会に参考人招致され、「記憶にありません」を連発し、その後経産省を退職した棚瀬審議官、安倍首相側近議員の刑事事件不起訴に貢献したと言われ、安倍首相が法律の解釈変更で定年を延長してまで検事総長にしようとした黒川東京高検検事長は、もう少しで検察官定年延長法案が修正され堂々と検事総長になれる直前で、賭けマージャンが発覚し退官しました。これでは官僚はぼろ雑巾と同じです。安倍政権は、安倍首相が成蹊大、菅首相が法大、二階幹事長が和歌山大というたぶん歴史上最低の学力政権でした。そのため官僚との頭脳ギャップが大きく、官僚がいくら素晴らしい企画を提案しても、3人はこれを理解できませんでした。安倍首相に至っては、官僚の窓口を今井秘書官にして、他の官僚が安倍首相に直接提案することさえ難しかったと思われます。そのため安倍政権の途中から官僚は企画を提案する気力を無くしていた感じがします。安倍政権のやったことはと言えば、大規模金融緩和、同一労働同一賃金、プレミアムフライデーなど表面的な制度をいじるものが多く、日本低迷の根本原因である製造業の弱体化には全く手つかずでした。これらの施策は、株価の上昇や消費の活発化など一時的な効果はありますが、実体は何も変わりません。それが現れたのが安倍政権末期の消費税引上げによる景気後退でした。低学力の安倍政権の当然の帰結でした。

それに対して岸田政権では、これまで息をひそめていた実体経済派の官僚が息を吹き返しています。ここで言う実体経済派とは製造業の復興を通して日本経済を再建することが日本の財政問題を解決することに繋がると考える人たちのことです。これらの官僚は明治初期や戦後に工業の振興に尽力した官僚たちと重なります。現在の日本では自動車を除き、輸出できる製品は無くなっています。これでは日本が貧乏になるのは当たり前です。それに気付けば、今日本を復興するために必要なことは製造業の復興ということになります。その第一弾が半導体産業の復興です。

岸田政権になっても重用されているのは経産官僚(首相秘書官は元経産事務次官)で安倍政権と同じですが、経産省で重視される部局が大きく変わってます。プレミアムフライデーのようなサービス産業担当部局から製造業振興政策を担う部局になっています。これらの部局は経産官僚のメインロードであり、優秀な官僚が集まっています。こうなると優秀な官僚のスイッチが入り、中央省庁が活性化することが期待できます。この流れは大学生にも伝わり、今後東大生を中心に官僚人気が高まると予想されます。