8本のインプラントを入れて分かったこと

私は歯が悪く8本のインプラントを入れています。

第1回目のインプラントは今から25年くらい前でした。それは左下奥歯6番(左右の1番奥が7番で1番前が1番)の歯根が破損したためでした。そのとき7番は欠損(歯ぎしりでダメになった)となっていたので、6番7番の2本をインプラントにしました。治療費は1本約25万円で2本で50万円くらいかかりました。

第2回目はその後10年くらい後右下5番6番が欠損しブリッジにしていたのを、インプラントにしました。ブリッジは橋を架ける両端の歯が傷むと同時に十分咬めません。このときはインプラント専門病院で1本10万円、2本で20万円でした。安過ぎてちょっと心配でしたが、まだ問題なく使えています。ただし、歯が安物(インプラントは歯の骨に埋め込む柱)で、最近公後悔することとなりました。

第3回目は3年くらい前に福岡市内で入れました。これは30年くらい前に治療した左上3本(連結してあった)の歯も根元がダメになったからです。3本のうち一番奥の7番は骨が薄いためインプラントは入れられず、6番5番の2本だけ入れました。そこのインプラントはストローマン社製で、上の歯はジルコニア(ダイヤモンドと同じくらい堅く一番高価)という組み合わせのみでした。料金は1本約40万円、2本で80万円程度でした。

第4回目はその1年後で右上の3本も限界に達していたので、3本抜いて2本のインプラントブリッジ(2本のインプラントで3本の歯を付ける)を入れることにしました。これは歯をメタルボンド(内部が金属で上は樹脂)として、料金は全部で80万円程度でした。この部分は前の10万円インプラントの上に当たりますが、下の歯が安物で受け皿となる歯の表面の形が悪かったため、かみ合わせが上手くいかず後悔することとなりました。どうも奥歯の上の歯をインプラントにする場合、受け皿となる下の歯もきちっと治療しておく必要があるようです。

以上の経験から私が感じたことを書きます。

  • 福岡市内のインプラントの料金は高い(ほぼ40万円以上)ので、周辺都市の歯医者で入れた方がよい。

電車やバスで1時間くらい行った地方都市には、地元に根付いた名門の歯科医院があります。地方の場合所得が少ない人が多いので、インプラント料金も安くなっています。大体30万円前後が多くなっています。インプラントの場合、治療回数は5,6回なので交通費を入れてもこちらの方が安くできます。

  • 上の歯の骨は柔らかいので6カ月は待つ

インプラントは歯を抜いた穴が新しい骨で覆われてから埋入しますが、上の歯(骨)と下の歯で骨がインプラントを入れられる堅さに再生する時間が異なります。下の骨は約3カ月で再生し、上の骨は約6カ月かかります。それは下の骨には力が加わるため、もともと堅く、上の骨は比較的力が加わらないため、もともと柔らく出来ているためのようです。ある歯医者でストローマンは骨への生着性がよいからと上の骨に2カ月でインプラントを埋入しましたが、後日一部生着していない(骨が柔らかくインプラントが奥にズレた)ことが分かりました。やはり上の歯は6カ月待ってインプラントを埋入した方がよさそうです。

  • 歯医者の出身大学は大事

歯科医院の数はコンビニの数より多く、歯科医過剰となっています。そのため大学歯学部の偏差値には30代のところもあります。そこでは私は歯医者の学歴を調べ、出来るだけ国立大学歯学部卒(偏差値50以上)の歯医者に行くようにしていました。最近歯医者は職人仕事であり学歴は関係ないのではと考えて偏差値30代の私大歯学部出身の歯医者でインプラントを入れましたが、やっぱり止めた方や良いと思いました。それはその歯医者は明らかに出来が悪かったからですが、その原因は自らが設定する合格ラインが低いことにあると思ったからです。また学会や研究会に参加しておらず、向上心が欠けている人が多いように思います(HPの掲載から)。その点国立大学は偏差値が高い分自らの合格ラインも高く、歯医者になってからも勉強を続けている人が多いように思われます。こちらが安心です。

  • 高齢歯科医は細かい仕事が雑になる

歯医者には若い人もいれば高齢の人もいますが、高齢の歯医者は細かい仕事(例えば歯の噛み合わせ調整など)で根気が続かないように気がします。歯の噛み合わせは微妙な問題であり、調整には根気が必要です。私が掛かった高齢の歯医者は調整が雑で、しっくりこないのは私が神経質なせいという態度でした。こんな歯医者には2度とかかりたくないと思いました。

  • ビルに入るオフィス系歯科はビジネスライク

大きな町の中心部にあるビルに入居する歯科医院は入居料が高いので料金が高くなることを覚悟する必要があります。収入を増やすため、治療回数を増やす、治療箇所を増やす、高い材料や治療を勧める、美容歯科に力を入れているなどの特徴があります。歯医者の態度も、「ここが悪いから治療した方がよい」という医者の態度ではなく、「あなたがお望みの治療をしますよ」というビジネスの態度です。私は余り勧めません。