デジタル人材を育成する中高一貫校が必要
小学校では2020年からプログラミング教育が取り入れられ、高校では今年2022年から新しい情報教育がスタートします。小学校でのプログラミング教育はまだ手探り段階で、手引き上は全学年が対象となっていますが、実務上は4、5年生から始める学校が多くなる模様です。確かにまだ日本語も満足に書けない1、2年生に対してプログラミング教育は早いと思います。小学校では2020年から英語も必修化されているようなので、これにプログラミング教育が加わると、これまでの基本科目の学習水準が低下することが危惧されます。
プログラミングにしても英語にしても、これまでの基本科目と違い必ず全員が必要となるものではありません。また子供との相性が相当あると思われます。そのため子供によっては苦痛を強いることになるし、平等を重視する義務教育では逆に才能がある子供を犠牲にすることとなります。小学校での英語やプログラミングは、子供のこれらに対する才能を触発する、あるいは発掘する機会と考えるべきかも知れません。これは小学校教育全部に言えるかも知れません。小学校はどんな才能があるか分からない子供の才能を触発する、或いは発掘する場と位置付けた方が良いかも知れません。多くの学習の中から自分の得意分野が見つかれば成功と言えます。そして自分の才能を認識した子供は、中学校からその才能を伸ばす教育を受けるのが良いと考えられます。子どもの才能は中学校から専門教育を受けた方が一番伸びると言われており、東大合格者に私立中高一貫校が多いことやオリンピック強化選手を中学生から選抜してアカデミーで教育していることからも分かります。
現在の情報教育体系では、今後世界で戦えるデジタル人材は育たない可能性が大きいと思われます。中学から大学まで英語を学んでも話せないということの再現となります。それは本人が望んでやる学習ではないことが最大の原因です。やはり日本から世界的なデジタル人材を出すには、デジタル才能があり、かつ本人も大好きという子供を小学生から選抜し、中学校から専門教育を行う必要があります。そうすればデジタルネイティブな人材が誕生します。そのための教育制度として中高一貫してデジタル教育を行うデジタル中高一貫校が必要となると考えられます。
日本社会が1990年以降停滞している原因は、戦後画一的教育を実施し、個人の才能を伸ばしてこなかったせいです。その結果、平均値は高いけれど突出した才能のある人が育たず、世界をリードする製品やサービスを生み出せなくなったのです。やはり世の中は才能ある人が引っ張り、変えていきます。この事実を認め、才能を伸ばす教育制度が必要です。現在はデジタル人材の育成が求められていますので、デジタル人材を育成する中高一貫校の設置が不可欠だと思われます。