東京に住んで得するのは富裕層だけ

東京では富裕層とそれ以外に二極分化しているようです。地震や長期的な維持に問題がある高層マンションの売れ行きが落ちないのは、治安も関係しているという報道です。高層マンションは価格が高く富裕層しか購入できないため、相対的に治安が良く、購入する動機の1つになっていると言うことです。

私は約30年間東京に住みましたが、治安で不安を感じたのは1回のみです。その1回は1995年に起きた地下鉄サリン事件のときでした。あのときは地下鉄に乗る度にサリンが撒かれるのではないかと不安を感じました。それ以外では、もっとも混雑する鉄道においても乗客に一定のルールが徹底しており、トラブルに遭遇することは殆どありませんでした。山手線では満員の場合、ぶつかるように乗り込みますが、ぶつかられた人で文句を言う人はいませんでした。そのため大阪の環状線でこれをやったら、「何するんじゃワレ!」とすごまれました。大阪より東京の方が治安(マナー?)が良いと思います。

しかし最近電車や街中で無差別に人を殺傷する事件がたまに発生しており、東京は治安が良いと言う今までの常識は転換期に来ているように思われます。それにはコロナによる所得の減少やコミュニケーションの減少が影響しているように思われます。コロナ蔓延で飲食店や旅行・宿泊業を中心に収入が途絶え、生きていくのもままならなくなった人も多いと思われます。一方では銀行や生損保などの金融業や商社、大手メーカーなどは好況であり、これらの社員の収入は増加しています。東京には大手企業の本社が集中しており、コロナ禍で収入が増えた人も多くなっていますから、東京の住民の収入格差が広がったのは間違いありません。これを富裕層が敏感に感じ取り、治安指向を強める結果になっているように思われます。

私はここまでたくさんのブログを書いてきましたが、東京での思い出を書いたものは殆どありません。東京には書ける思い出がないのです。東京は仕事して生活費を稼ぐところだと思います。東京では1,000万円以上の収入を得ている人はたくさんいますが、それでも住宅費や生活費が高く、生活に余裕はないと思います。東京で1,200万円の収入を得ている人の生活は、地方で800万円の収入を得ている人の生活と同じくらいではないでしょうか。

年収1,200万円と言えばメガバンクや生損保社員の30歳での年収ですが、東京都住民で言えば50歳でこの金額の年収にならない人が6割以上だと思われます(8割以上?)。この人たちにとって老後の資産の大部分はローン返済が終了した自宅不動産と言うことになります。この場合、いずれ必ず来ると言われている関東大震災で自宅が損壊した場合、生活再建が難しくなる人が多いと思われます。こういうことを考えると東京に住んで良い人は今の都民の4割程度で、残り6割は地方に住んだ方が良い生活が出来ると思われます。東京に住んで本当に得するのは富裕層だけです。