公明党植民化で国交省が機能不全

4月23日北海道知床半島沖で乗客乗員26名を乗せた遊覧船KAZU1(19t)が沈没し、26名全員が亡くなったものと思われます。KAZU 1は23日午前10時頃斜里町のウトロ港を出発し、約3時間かけて知床半島北側を遊覧する予定でした。出航当時のウトロ港の天候は悪くなかったようですが、天候悪化が予想されており、別の遊覧船運航会社の関係者はKAZI 1の船長に出航を取りやめるよう助言したようです。これに対して船長は「悪化したら引き返すから」と答えたようですので、天候が悪化するかも知れないことは船長も認識していたようです。沈没の原因は、高波か座礁による浸水と言われていますが、どちらであっても沈没当時知床半島周辺の海は相当荒れていたようです。

遊覧船の事故は、東南アジアや中南米の発展途上国での出来事であり、日本で起きることはないと思っていた日本人が多いと思います。事故の最大の原因は、天候を無視した無理な運航と思われ、監督官庁である国土交通省(国交省)の監督にも問題があったと思われます。観光船の設備については定期的に点検しているようですが、安全運航の基準は監督していなかったようです。例えば、知床半島遊覧であれば、知床半島の数カ所に海の観測機器を設置し、波の高さや風の強さを測定し、ある基準を超えたら出航できない、または出航後なら引き返させるなどの安全運航基準を設定しておくべきでした。今回の事故は安全運航基準がなかったことが原因で起きたものであり、国交省の怠慢と言っても良いと思われます。

国交省には最近様々な問題が発生しており、今回の事故もその延長線上の事故と考えられます。昨年12月には毎月公表している「建設工事受注動態統計」で、その元データである調査票の書き換えや2重計上が10年以上に渡って行われていたことが判明しています。そして今年3月には、日野自動車がエンジン型式認定用のデータを不正に操作していたことが判明し、国交省は型式取消し処分を行いました。この結果、このエンジンが搭載された大型トラックや中型トラックを使用している運送業者は持ち込み車検が必要となる、日野自動車は当該エンジンを搭載する新車が製造できない事態となり、多くの運送業者や日野自動車の下請け企業に大きな損害を与えています。本件では、国交省は不正を裁く立場ですが、実は国交省にこそ問題があります。型式認定のように書類上の審査が常態化すると必ずデータ不正が出てきます。これを防ぐためには、抜き打ち検査(実査)を行う必要がありました。日野自動車のデータ不正はこれをしてこなかったから起きたものです。これまで自動車メーカーでは幾度となくデータ不正や検査不正が露見していますが、いずれも国交省の抜き打ち検査があれば防げたものです。それにも関わらずこれらの不正が起きた後、国交社が抜き打ち検査を始めたと言う話は聞きません。

国交省はこれまで監督基準を作成し、その基準に合致しているかの形式審査に終始してきましたが、これでは実際の運用から発生する不正や事故は防げません。10年以上前から統計データを不正に操作して国交省に、実質的な不正や事故防止策は期待できなかったと思われます。

国交省は10年以上前から代々公明党から大臣が就任するようになり、公明党の植民地となっています。これは国交省所管の業者からの集票を期待してのものと思われます。その証拠に選挙の際には公明党所属の大臣が国交省所管の業者団体を訪れ、支援を要請しています。この結果国交省職員も職務で実績を上げてアピールするよりも、集票対策でアピールすることに熱心になっていると思われます。また公明党支配下となりやる気をなくしている職員も多いと思われます。これが最近の国交省関連事業者の大きな事件に繋がっているように思われます。1つの組織の長を1つの団体が独占すれば、組織が腐敗するのは歴史の常識であり、国交省がこの状態だと思われます。知床遊覧船事故は公明党の国交省植民地化が招いたと言えると思います。