NHK受信料強盗を助ける国会議員には投票しないこと

NHK受信料の値下げ原資を確保するための積立金制度創設などを盛り込んだ放送法改正法が6月3日の参院本会議で可決、成立したという報道です。NHKは年間受信料収入の1割に当たる700億円程度の原資を確保し、2023年度に受信料を下げる計画のようです。前田会長は今年秋に具体的金額を示すと言っていますが、衛星放送料金を下げて来る可能性が高いようです。衛星放送は公共放送とは言えず受信料を徴収することはおかしいという指摘が15年くらい前に国会でなされ、その際NHKは「検討する」と答えてそのままになっています。15年検討して値下げの結論となったようです。

700億円の原資はこの4月に廃止した受信契約や受信料徴収の外部委託料に相当する額であり、この分を値下げに回すようです。それ以降NHKは利益を出さないように受信料を使い切りますから、その後の値下げは期待できません。従って子供だましの値下げ案と言うことになります。

それよりも深刻な影響を与えるのは、受信契約を結ばない、または結んでいても受信料を払わない人に割増金を課すことができるようになる点です。契約を結んで料金を払わない人に遅延損害金を付けるのは普通に見かけますが、契約を結ばないから割増金(遅延阻害金)を付けると言うのは法理論上もあり得ないことです。そもそも契約の締結を個人に強制することは、憲法上最大限尊重されている個人の意思の尊厳に反する行為であり、これを許す放送法64条は間違いなく違憲です。最高裁は2017年これを合憲としていますが、違憲・合憲の判断は国民の意思がどこにあるかによって行うものであり、国民の多くがNHKのスクランブル化を望んでいる状況を考えれば、違憲と言う判断になるのが当然です。なのに2017年の最高裁判決では違憲とする裁判官は1人もいませんでした。これは法務大臣が違憲としないよう要請する意見書を出したからであり、これに従った最高裁裁判官こそが憲法に定める司法の独立に反し違憲ということになります。今回の放送法改正で受信契約を結ばない人に割増金を課すのは違憲な放送法64条に基づくものであり、これが実行されれば再度最高裁まで行く訴訟に発展します。この場合、今度はスクランブル化を望む国民の多数意思を無視できず最高は放送法64条を違憲と判断する可能性があります。

本法案は今年年初に具体化しましたが、その後英国では保守党政権によりNHK受信料の元となったBBC受信料が2027年に廃止されることが本決まりになっています。後藤総務大臣が5月の初めに英国を訪問しメディア担当大臣と会談していますので、この話題も出たはずです。また本法案を審議する総務委員会所属の国会議員も英国のこの動きは知っていたと思われます。だとしたら、本法案は英国のこのような状況を加味して再検討する必要がありました。なのに全く再検討された様子はありません。

これは総務委員会所属の国会議員がNHKの言い成りになっているからです。受信料に苦しむ国民、有権者よりもNHKを大事にしているからです。NHK受信料は、必要もないのに契約を結ばせ、かってに決めた料金を徴収すると言うNHKによる受信料強盗と言えるものです。これを手助けする国会議員は強盗の共犯であり、厳しく罰する必要があります。先ずは次の参議院選挙で放送法やNHK予算案を審議している参議院総務委員会所属の国会議員には投票しないことです。

参議院総務委員会所属の国会議員は次の通りです。(Wikipedia 2021年12月13日現在)

石井浩郎、江島潔、片山さつき、進藤金日子、滝波宏文、柘植芳文、中西祐介、長谷川岳、堀井巌、松下新平、三浦靖、山本順三(自民党)

木戸口英司、小沢雅仁、岸真紀子、吉川沙織、吉田忠智(立憲民主・社民)

平木大作、若松謙維、西田実仁(公明党)

小林正夫、芳賀道也(国民民主党・新緑風会)

片山虎之助、柳瀬裕文(日本維新の会)

伊藤岳(日本共産党)