楽天モバイルとJ1神戸の特徴はアバウト

楽天モバイルが5月に1Gまで月額利用料0円を廃止することを発表し、7月1日から新プラン(3Gまで1,078円)に強制移行となりました。これにはネット上で反発の声が強いことから、相当の解約が出ることが予想されます。あるITメディアに調査によると、楽天モバイルをメインに利用している人では、「継続して利用する」が65.4%、「他の通信会社への乗り換えを検討している」が29.0%、「解約を検討している」は5.7%で、サブ利用者では「継続して利用する」が34.6%、「他の通信会社への乗り換えを検討している」が32.7%、「解約を検討している」が32.6%となったとのことです。

楽天モバイルメインの人では「継続して利用するが」が65.4%となっていますが、これは母数が少なく、楽天グループのポイント制度で大きな恩恵を受けている人だと思われます。楽天モバイルはプラチナバンドを持っておらず、通信状態が悪いことから、1Gまで無料ならサブで使うという人が多数派であり、この中では逆に65.3%が楽天モバイルを解約(乗り換えも解約)する方向です。これから考えると楽天モバイルの契約者は発表の約550万人から約半分の300万人程度に減少すると思われます。楽天モバイルにとっては、これらの契約者は無料かほとんど利用していなかった人たちであり、辞めてもらって結構ということのようです。確かに現在はそうですが、これから後悔することになると思われます。と言うのは、現在楽天モバイルに新規で加入する人はほぼいないでしょうし(宣伝も見られない)、他社と料金が同じ水準となった今、電波が繋がらない楽天モバイルと契約する人など考えられません。楽天モバイルが今後契約者を増やすとすればプラチナバンドを割り当てて貰い、通信環境が整ってからとなり、これには最低3年はかかりそうです。その間楽天モバイルは契約者数300万人程度の弱小MNOとしてやっていくしかないと思われます。

楽天モバイルがここまで評判を落としたのは、1Gまで0年プランを発表したときに期限を切っていなかったこと、また楽天モバイルが提供したプランであるにも関わらず廃止の発表に当たり三木谷社長が「ただでずっと使われても困る」とまるで1Gまで0円契約者を迷惑扱いしたことがあります。契約者としても1Gまで0円がずっと続くとは思っておらず、楽天のことだからまた値上げして来るだろうと予想していました。1Gまで500円にするとか800円にするとかならば想定内と言えました。しかしいきなり廃止で、それも1Gまで0円契約者は迷惑という言い方は契約者を怒らせてしまいました。

三木谷社長がここまで理性を無くしたのは、楽天モバイルの赤字が膨らみ、楽天グループの有利子負債も3兆5千億円近くなってきたためと思われます。そのため楽天銀行や楽天証券の株式公開の流れとなっています。

この楽天モバイルの凋落は、Jリーグビッセル神戸の凋落と重なります。ビッセル神戸はイニエスタなどの欧州のスター選手や大迫、武藤、酒井などの日本のスター選手を集め、顔ぶれだけを見れば日本屈指のスター軍団ですが、順位は勝ち点17で下から2番目です。4月には三浦監督に代わり実績のあるスペイン人のロティーナを招聘しましたが、6月28日付で解任しています。そして神戸、長崎で成績不振で2度解任されている吉田孝行氏を監督にしています。その前には東京ベルディの監督をパワハラで解任された永井秀樹氏をスポーツディレクターに招聘したことから、サッカーファンからブーイングを浴びましたが、これは三木谷社長の人事だったとのことです。ビッセル神戸は三木谷社長のポケットマネーで始められたこともあり、全ての人事が三木谷社長の鶴の一声で決まっているように思われます。三木谷社長は決して頭が良い人ではなく、アバウトで「ともかくやってみよう」の人です。インターネットモール事業はこれで成功しましたが、何百億円もかけて買収しながらものになっていない事業もいくつか見られます。ビッセル神戸と楽天モバイルの不振は三木谷社長のアバウトな性格が生んだもののように思われます。