ルネサスの「金曜日はノー会議デ―」は間違い

半導体大手のルネサスエレクトロニクスは、8月毎週金曜日に会議や打ち合わせを開かないようにすることを試験的に実施するとの報道です。働き方改革の一環となっていますが、これは明らかに間違いです。以下に理由を説明します。

  1. 金曜日は週の最終日であり、懸案は処理する必要があります。従って取締役会や執行役員会議、部門会議などの会議は、逆に金曜日に集中する必要があります。
  2. 課やグループなどの単位においても、週の活動実績を取りまとめるのは金曜日がベストです。何故なら記憶が鮮明だからです。これを翌週の月曜日にやったら、土日で頭がリセットされるため、正しい報告とならなくなります。また翌週の活動計画も金曜日に作成し、提出されるのがベストです。何故なら今週の反省に基づいた連続的な計画となり、かつ月曜日からフル活動できるからです。これを月曜日に行うと土日で頭がリセットされるため、前の週と連続性のない計画となり、かつ月曜日が無駄となります。
  3. 私の頃会議は月曜日が多かったように記憶していますが、これは生理的に考えれば良くないことは明確です。多くの会社員が月曜日の出社は憂鬱です。それにとても疲れる1日になります。当然で土日のリラックスした環境から緊張を強いられる環境へ一変するからです。頭は土日にリセットされているので、会議資料がすんなり頭に入らないし、頭は働きません。こんな日に会議など最悪です。
  4. 月曜日に会議があるとなると、その資料準備のために土日に出勤する人が出てきます。重要な会議となれば尚更です。これが金曜日なら月曜日から木曜日までに必ず準備を終えられます。十分じゃなくても時間切れです。会議が終われば担当者は心置きなく土日を休めます。

 

以上により私の結論は、1週間の決着を金曜日につけるために金曜日に会議や打ち合わせは済ませること、月曜日は避けること、です。まだ古くからの習慣で月曜日に会議を集中させている会社が多いのではないでしょうか。ルネサスが8月に試行してみて、目論見とは逆に金曜日に会議や打ち合わせを集中するようにしたら、大した会社です。