新聞は捜査のリーク情報は報道しない自主規制を

現在元オリンピック組織委員会理事の高橋治之氏の収賄容疑の捜査が行われているようです。7月20日の読売新聞で容疑の事実が報道され、予想通り7月26日東京地検特捜部が強制捜査に入りました。捜査先は高橋氏自宅・会社、アオキホールディング、青木会長自宅、電通本社、ADKへと広がっています。そしてそのたびに新しい捜査情報が報道されます。20日の読売新聞の記事は明らかに東京地検特捜部関係者のリークであり、その後の捜査情報も捜査関係者のリークと思われます。捜査情報は被疑者の人格に関わる秘密情報であり、公務員である捜査関係者は重い守秘義務を負っています。捜査関係者、特に検事で構成される特捜部なら十分知っているはずなのにリークするのは目的があるものと思われます。本件の場合国家行事である東京オリンピックに関連した疑惑であり、かつ高橋氏は東京オリンピックの招致や開催準備において貢献が大きかったことから、捜査に政府関係者や政治家から圧力が掛かることを防ぐためと思われます。疑惑が報道されて多くの国民が知るところとなれば、政府関係者や政治家は迂闊にはもみ消しに動けません。こう考えるとリークもありかなと思いますが、やはり捜査情報のリークは法律違反であり、絶滅する必要があります。

その方法として7月26日のブログでは、リーク情報は裁判で証拠として採用されないこと、および裁判所に逮捕の許可を求めるとき逮捕事実として認められないことすることを提案しました。たぶんそうなれば捜査関係者からのリークは絶滅します。しかしこれの実現には時間がかかると思われます。

そこですぐにでも実現する方法は、捜査関係者が捜査情報をリークしても新聞社は報道しないという自主規制を制定することです。新聞社が報道しないとなれば捜査関係者もリークしません。新聞社は今でも違法なことをして(例えば侵入や盗聴)入手した情報は報道しないと言う自主規制(取材規則)はあると思いますが、捜査関係者がリークした情報は規制対象にはなっていないと思われます。そのため記者は捜査関係者に取り入り捜査情報のリークを働きかけています。その見返りに捜査上の不手際や不祥事などは報道しないこともやっていると思われます。報道しないことについては新聞社の自由ですが、公務員の守秘義務違反が明確な捜査情報の入手は守秘義務違反の共犯であり、新聞社としては入手しても報道しない倫理が必要です。新聞社として或いは新聞協会として自主規制すべきものと考えられます。そうすれば捜査情報のリークは直ぐにでもなくなります。普段高説を垂れる新聞社が犯罪行為の片棒を担ぐのは情けないと思います。