「軽症なら受診控えて」って2類なのに

8月2日日本感染症学会など4学会は東京都内で記者会見し、新型コロナウイルスの感染「第7波」が続いているが「症状が軽い場合は、検査や薬のため医療機関を受診することは避けてほしい」とする緊急声明を発表しました。その理由として「オミクロン株は順調に経過すれば風邪と大きな違いはなく」「平均3日で急性期症状が出現するが、ほとんどが2~4日で軽くなる」から、病院に行かず自宅で抗原検査キットを活用して検査し、もし感染していたら市販薬を購入する、発熱や喉の痛みなどの症状が出た際は「まずは仕事や学校を休んで外出を避け、自宅療養を始めてほしい」と述べています。

これはちょっと順番がおかしいと思います。コロナウイルス感染症は現在第2類の感染症に指定され、国家管理となっています。2類感染症は危険性が高い感染症として現在、ポリオ、結核、ジフテリア、鳥インフルエンザ、コロナウイルスの5つが指定されています。これより上の1類はエボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、マールブルク病、ラッサ熱の5つであり、これに次ぐということは危険度の高さが分かります。

そのため政府も専門科委員会を設けて対策を検討し、多額のワクチン費用などを支出して対処しています。確かに現在のコロナウイルスはオミクロン型の亜種で弱毒化していると言われていますが、政府は2類の指定を解除していません。最近も2類から一般インフルエンザ並みの5類に指定替えすべきと言う意見が出ていますが、実現していません。と言うことは政府(国)としてはまだ危険性が高いと判断していると言うことです。これに対して日本感染症学会など4学会がコロナ感染者に対して、コロナに感染しても医療機関の受診を控えて欲しいというのは違法行為と言えます。法律は国(保健所)の指示に従い、受診の上感染していたら保健所に届けるよう規定しているのに、学会がこれに従わないよう扇動するのはおかしいでしょう。学会の代表者は違法行為の扇動者として逮捕されてもおかしくないと思います。病院の窮状を見かねてのことと思いますが、ものには順序があります。先ずは2類指定の解除を政府に求めるべきです。これをせずに患者に病院を受診しないよう呼びかけるのは学会のすることではありません。それに昨年コロナ重症患者が溢れ病床が足りないときには、民間病院に空病床が多数あったにも関わらず、これらの学会は民間病院に受け入れるよう声明を出したでしょうか。出しませんでした。今回民間病院が逼迫すると患者に受診を控えるよう声明を出しています。このようにこれらの学会が民間病院寄りの対応を採るのは、これらの学会には医師の参加者が多いためであり、医師の社会的IQの低さの表れと言えます。