歯医者が酷い状態になっている

4年ほど前左上の奥歯3本(連結していた)がダメになりインプラントを入れることにしました。(この3本を奥から7番、6番、5番と言います。真ん中の前歯を1番として左右に数える)。インプラント料金は自由診療で歯医者によって料金が変わるので4軒の歯医者を訪問しました。

1軒目の歯医者では5番、6番の2本のインプラントで90万円、7番と5番のインプラントブリッジ(インプラントを7番と5番に入れ、その間に6番の歯を挟んで繋げる)で120万円の提案でした。有名国立大学歯学部卒で信頼は出来そうな歯医者でしたが、料金が高いと感じました。

2軒目は無名私大歯学部卒の70歳近い歯医者でした。人の良さそうな老人歯科医で、ホームページを見るとインプラントを古くから手掛けており、経験も豊富そうでした。そこの提案は5番、7番インプラントブリッジで70万円と安いのですが、7番については骨が薄いため長いインプラントを斜め方向に打ち込むということでした。これは骨が薄い場合に一般に使われるソケットリフト法やサイナスリフト法とも違う新しい方法と言うことでしたが、力学的に不安(力は上下方法に掛かるのにインプラントは斜めになっている)なので踏み切れませんでした。

3軒目はネットで検索すると上位に出て来る歯医者で、歯医者が治療にやってくると謳っていました。話を聞くとインプラントはストローマンというスイス社製の信頼性が高い製品で、歯はジルコニアというダイヤモンド並みに硬いという最高の素材を使いながら、価格は5番、6番の2本で75万円程度でした(7番は使わないから不要)。何よりも魅力的なのは、ストローマンだと抜歯後2カ月でインプラントを埋入でき、その2カ月後に歯を入れられる(4カ月で使えるようになる)ことでした。私はそれまで下に4本のインプラント入れていましが、いずれも抜歯3カ月後にインプラント埋入、その3カ月後に歯を入れていました(6カ月で使えるようになる)。

4軒目はインプラント専業の大手歯科医院を訪問しました。こちらは2本65万円程度と一番安くなっていました。材料(ノーベル)も悪くないし経験も豊富なのでここにしようと思ったのですが、手術が抜歯後6カ月先というのです。理由を聞くと、上の歯の骨は下の歯と比べて柔らかいため、抜歯後骨が再生するのに6カ月は必要と言うのです。ネットで調べるとこの説明は事実のようでした。それでも歯が使えない状態が9カ月も続くのは嫌です。

そこで4カ月で使えるようになるという歯医者に決めました。ところがこれが大失敗の元でした。最初の説明通り抜歯後2カ月でインプラント埋入となったのですが、手術終了骨が薄かったので他所の骨を削って継ぎ足した、歯は3カ月待って入れる、と言います。そして3か月後歯が入り噛めるようになりました。インプラント専業医院ならまだインプラント埋入もしていない時期です。決断は正しかったと思いました。その半年後別の歯科医に歯周病のチェックにいったところ、精密レントゲン写真の結果、歯周病は大丈夫だけれど左上のインプラント5番に2ミリほど隙間が出来ている(骨とインプラントの間に隙間がある)と言われたのです。まさかと思いレントゲン写真を見てみると確かに5番のインプラントとその横(4番の歯の方)の骨の間にv字型になった真っ黒な部分(隙間)があります。歯の噛み合わせ調整が十分でなく、インプラントが奥側に押されて骨から剥離したように見えます。どうも骨が十分硬くならない間にインプラントを埋入し歯を入れたこと、およびこの歯科医院には歯科技工部門がなく外注のため歯の噛み合わせ調整が十分でなったことが原因と考えられました。よく考えるとその歯医者は初診以降1枚のCT写真も撮らず、骨の再生状態を全く確認しませんでした。料金見積もりの中にCT料金15,000円がサービスとなっていましたが、サービスではなく1回も撮らないという意味だったようです。これは骨の再生は個人差が大きいので大変危ないやり方です。結局このせいで食事の際に食物繊維や肉の筋などがここに大量に詰まるようになりました。そのため食後歯間ブラシで掻き出す作業が欠かせなくなりました。この歯科医院では5,6ページに渡る手術同意書(通常は1,2ページ)にサインを求められましたが、これはトラブルが多いためと思われます。4ヶ月で食べられるようになるという甘い言葉に引っ掛かり、大変な悪徳歯医者に掛かってしまいました。

現在歯医者は過剰であり、歯科医院の数はコンビニ数を上回っています。その原因は1980年代に私大歯学部を作り過ぎたためであり、現在これらの歯学部は偏差値30、40台が多くなっています。そのため酷い歯医者が町に溢れており、歯医者に行ったら私のように歯が壊れる例が多くなっています。歯医者は真剣に調べて行かないとひどい目に会います。