NATOのロシア包囲網に日本は不可欠
昨日の報道を見たらフィンランドのカイッコネン国防相とリトアニアのシモニテ首相、オレカス国防相、ポーランドのプシダッチ外務副大臣が来日しているとのことでした。9月にはドイツ空軍トップのゲアハルツ総監がユーロファイターを自ら操縦して来日していますし、11月1日には同国のシュタインマイヤー大統領が来日します。この4国はロシアと近隣接する国であり、ロシアのウクライナ侵攻によりこれらの国で日本への関心が高まっていることが伺えます。当初日本の天皇をヒットラーやムッソリーニと並んでファシズムの象徴に挙げるなど日本を軽視していたウクライナも10月7日、議会が北方領土はロシアによって占領された日本の領土だと確認する決議を採択したということです。日本人からすると唐突な感じがしますが、ウクライナで日本の存在がロシアの足枷になっていることが認識されてきたことが伺えます。ロシアはウクライナ侵攻で戦力が不足してきており、日本がなければ極東の戦力をウクライナに集めたいところです。しかし日本との間に北方領土問題を抱えているため、これが出来ません。日本の自衛隊は中国などからハリボテと揶揄されていますが、防衛予算額で言えば世界9位で英国・フランス・ドイツ並みであり、ロシアにとってウクライナより遥かに脅威です。ロシアもウクライナ戦争によりロシアが疲弊すると日本が北方領土奪回に乗り出すかも知れないという恐怖がり、極東の戦力をウクライナに回すわけにはいきません。このことがウクライナを初め欧州のNATO諸国に認識されてきたように思われます。これにより中国の経済発展や韓国の躍進により欧州で軽視されていた日本の見直しが進んでいるように思われます。
事実NATOにとって地政学的に日本の存在は大変重要です。ロシアの軍事力は西方が圧倒的であり、東方に弱みがあります。東方から攻められたら割と簡単に国土奥深く侵攻されてしまいます。そのためロシアにとって日本人が考える以上に日本の存在は厄介だと思われます。一方日本にとってもロシアが西方に戦力を集中させざるを得ない状況は重要です。これにより今の脆弱な軍事力でもロシアの北海道侵攻が防がれています。
ということでNATO諸国と日本は、地理上は遠く離れており一見無関係のように見えますが、軍事上とても重要な相互補完関係にあります。NATOが日本に加盟を要請する時期は意外と近いかも知れません。それはロシアにとっては悪夢であり、日本にとっては防衛力が強化されることを意味します。