新聞の世論調査はひど過ぎる

ヤフーニュースに日本テレビと読売新聞が11月4日から6日まで行った世論調査の結果が掲載されていました。目玉は岸田内閣の支持率が前月より9%減って36%になったというものでした。

この世論調査で聞いたことと結果は次の通りとなっています。

1.岸田総理大臣がいわゆる統一教会をめぐって、解散命令の裁判所への請求を視野に、調査を行うことを表明したことについて  「評価する」67%

2.教団による被害者を救済するための法案については今の国会で成立させるべきと思うか

「思う」73%

3.北朝鮮の核やミサイル開発を阻止するために岸田総理は適切に対応していると思うか

「思う」19%  「思わない」68%

4.中国で習近平政権が3期目に入る中で、今後、日本の安全保障にとって中国の脅威が高まると思うか   「思う」80%

5.今後、日本が防衛力を強化することに   「賛成」68%、「反対」23%

6.自衛目的で敵のミサイル発射基地などを破壊する「反撃能力」を日本が持つことに

「賛成」52% 「反対」41%

7.政府が今の健康保険証を原則として廃止し、マイナンバーカードに一本化する方針であることに  「賛成」44% 「反対」49%

8.政府がまとめた、物価高対策となる総合経済対策について 「評価する」62%

この調査の方法については、全国有権者に電話調査 固定電話 432人(回答率 60%) 携帯電話 617人(回答率 41%) 合計1049人が回答、と書かれています。

この調査結果についは、殆ど世の中の役に立たないと思われます。と言うのは、内容を理解して答えた人が少なく、有効な回答が少ないと思われるからです。例えば1の統一教会問題に関心がある人がどれくらいいるでしょうか。テレビや新聞では騒いでいますが、統一教会関係者は100万人もいないと言われており、国民の多くが無関係です。従って自分のこととして考えられるはずがなく、これに関して正直に答えれば「興味なし」という答えが一番多くなるはずです。それが評価するかしないかで聞かれているか何気なしに「評価する」と答え、2の適切に対応していると思うかと聞かれたから何気なしに「思わない」と答えています。

3の北朝鮮ミサイルに対する対応についても、適切な対応が何か分かっていないと回答は無意味です。

4の中国の脅威については漠然とした気持ちに過ぎず、あまり意味を持ちません。

5については自分の身の安全にそうして考えれば良いことであり、意味があります。

6についは良く考える必要があることであり、回答は意味がないと思います。

7については自分の感想を述べてればよく、意味があります。

8については岸田政権の経済内容を知っている人だけが答えられる質問であり、意味のある回答は少ないと考えられます。

このように質問事項の多くが内容を理解した人の回答でないと意味のないものとなっており、調査結果として意味を持つものはわずかしかありません。要するに質問する内容が良く吟味されていないのです。そもそも固定電話や携帯電話に世論調査の電話が架かって来ても普通の人なら回答しません。するのは暇人か調査を弄ぼうと考える人です。

最近選挙の当落予想で新聞社の予想が大きく外れることが多くなっていますが、質問が普通の生活者の現実にマッチしていないことと電話調査というやり方が原因のように思われます。こんな調査をしていたら新聞の購読部数が大きく減るのは当然です。