NHK罰金制度はテレビ受信機の大量廃棄を招く

NHKがテレビ受信機を持っていながら受信契約を結ばない人および受信契約を結びながら受信料を払わない人に受信料の2倍の料金を請求することができる規則を導入するようです。放送法はテレビ受信機を購入したら自動的に受信契約が結ばれるとは規定しておらず、契約を結んでいない状態では受信料支払義務は発生していないので、こんなことが出来るのか疑問があるとこころです。また受信料未払い者に対する受信料の2倍と言う料金の請求も、算定の根拠が不明であり、納得する人は少ないと思われます。これらは素直に解釈すれば罰金であり、本来なら法律で決める必要があります。これをNHKの規則で定めることは違法と考えられます。例えばBBCは受信料未払い者に罰金を科しているようですが、これは法律に基づくものです。そのBBCのある英国では、これでは税金と同じであり、そこまでしてBBCを保護する必要はないとして、2028年3月でBBC受信料制度を廃止する方向です。2019年12月の英国総選挙で保守党が公約に掲げて大勝しましたから、実現は確実だと思われます。またフランスでは今年3月の大統領選挙でマクロン候補がフランス公共放送受信料の廃止を公約に掲げ当選し、約束通り今年5月受信料を廃止しました。このように世界では公共放送の受信料制度は廃止する方向にあり、NHKが公共放送を振りかざして料金の2倍の罰金を徴収する姿勢は異常と言えます。NHKがこれが出来るのは自民党の総務委員会所属議員、とりわけ「放送法改正に関する小委員会」のメンバーががっちりとNHKを守っているからです。NHK受信料を不当と考える人は、自民党に投票しないことが必要です。

さてこの罰則の導入により今後どうなるかというと、2つ考えられます。1つは2倍の罰金は痛いから受信契約を結んでいない人は結び、受信料を払っていない人は払うようになることです。受信契約対象者のうち未払い世帯は約20%(約900万世帯)と言われていますから、これが全部払うようになればNHKは約1,400億円の増収となります(現在の受信料収入約7,000億円×0.2)。これなら来年秋からの1割値下げによる減収約700億円を軽く補い、却って増収となることになります。これが分かるとNHKの値下げは実は増収狙いだったことが分かります。

もう1つ考えられることは、罰金を払う位ならテレビ受信機を廃棄し、NHK受信契約を解約する人が出て来ることです。受信料を払っていない人にはいくつかのタイプがあると思われ、これはテレビ受信機はあるけれど殆どテレビは見ない人がと採る行動です。これまで躊躇してきた人が一挙にテレビ受信機廃棄の行動に出ると思われます。また受信料未払い者には収入的に払えない人が相当いると思われ、この方たちからもテレビ受信機は廃棄する人が出る思われます。現在のテレビ番組は、NHKはもちろん民放も低俗化しており、見たい番組は殆どありません。だから殆どの国民がテレビ受信機はなくても困らなくなっています。今持っているのは惰性であり、今回のNHKの罰則が切っ掛けとなってテレビ受信機を廃棄する人は意外と多くなるかも知れません。NHKはテレビ業界を破滅に導くとんでもない制度を導入したかも知れません。