高校の武道授業、剣道より空手が良い

私が高校生の時代には体育の授業で週1時間武道が組み込まれていました。武道でも選択できるのは柔道と剣道でした。柔道は投げ技が主体なので体が大きい人が選択する傾向があり、私のような小柄な人間は剣道を選択していました。剣道は防具を付けるので竹刀が当たっても痛くなく、私のような下手くそでもなんとかついていけました。それでも剣道をやっていてよかったと思ったことは今まで一度もありません。

それは剣道、と言うか武道をやる目的がはっきりしていなかったことに原因があると思われます。高校時代に武道の授業を受けた人でその目的を言える人がどれくらいいるでしょうか。多くが日本の伝統的武術である柔道と剣道の伝統を学ぶためと思っているのではないでしょうか。そのため多くの人にとって時間の消化に終わっていたと思われます。進学希望者にとっては最大の無駄な授業だったでしょう。

しかし社会人になって考えると武術は中途半端な勉強より遥かに重要だと言うことが分かります。それは仕事においても社会生活においても暴力を振るわれる、または暴力で威嚇される場面が必ずあるからです。会社に置いての交渉事においても威迫で自分に有利な結果を得ようとする人は必ずいます。また債権の回収などでは追い込まれた債務者が暴発する場面も出てきます。このような場面に柔道の心得があれば落ち着いて対応できます。体のぶつかり合いに馴れているだけでも違います。柔道の経験のない人は体のぶつかり合いの危険を感じただけでも怖気づいてしまいます。

一方剣道をやっていても竹刀は仕事の場面はもちろん日常生活の多くの場面で存在しませんし、竹刀に類する棒も存在しないことが多いです。そのため剣道の心得は自分を守る武器になり得ません。従って剣道はほとんど役に立たないと言えます。

このような認識から言えば、高校の武道の授業では剣道に替えて空手が良いと思われます。空手は一撃に衝撃を込める技術を学べるので、暴力に訴える相手に対抗することが可能です。勿論個人の体力差により無駄な抵抗に終わることもありますが、当たりどころによっては大きい相手を倒すことも可能です。そんな場面が無いのが一番ですが長い人生の中では一度はあると考えておいた方が良いと思われます。特に家族を守る場面では不可欠であり、これがないために家族や自分の尊厳が守れなかったと言う場面がありえます。私は進学先のランクを1つ落としても良いから、1つしっかりした武術(或いは屈強な体力)を身に着けておいた方が良いと思います。そのためにも高校の武道の授業は剣道に替えて空手を採用した方がよいと思います。