日本の政策は岸田親子会議で決まる?

岸田首相の長男で首相政務秘書官の翔太郎氏が岸田首相の外国訪問に同行した際の行動が問題になっています。報じたディリー新潮の記事から引用すると、

「現地の大使館には翔太郎クンから、パリ市内の観光地を巡りたいとの要請があったそうです。大使館は車を回し、彼はお望みの名所を訪れている。それだけでなく、夕食はビストロを、とのことで、現地のアテンドで気心の知れたスタッフと舌鼓を打ったそうです」

さらに、イギリスでも同様の“要望”が。

「ロンドン市内を“見学”したいとのことで、やはり大使館が回した車で、ビッグベンやバッキンガム宮殿を訪れ、(老舗高級百貨店の)ハロッズにも寄っています」カナダでは

「そこで、トルドー首相と写真を撮りたいと言い出した。そんな予定はなかったのでスタッフはあたふたしていたとか。結局ゴネ得で、会の終了後、別室でトルドーと総理と三人で写真に納まることができた。慌てた現場からは“いい気なもんだ”と文句の声が上がっていたそうです」

情報の出所は翔太郎氏の近辺にいた関係者であることは間違いなく、表現は多少脚色してあるとしても事実関係はほぼ正しいようです。これに対して木原副長官は、翔太郎秘書官は「首相訪問についての対外発信に使用する目的で街の風景やランドマークの撮影(ただし観光施設の中には一切入っていない)」「政治家としての首相のお土産等の購入」したのであり、不適切な行動は無かったと述べています。当事者である翔太郎氏は取材に対して「政務秘書官の“ルーティン”に従っただけで不適切な行動ではない」という主旨の弁明をしているようです。これを以て納得する人がどれほどいるでしょうか。外形上は大学生の卒業旅行か、岸田首相退陣後回顧録に載せる訪問先写真の収集旅行のように見えます。これまで岸田首相が翔太郎氏を首相政務秘書官にしたことを大目に見てきた人も翔太郎氏の余りの幼稚な行動に落胆していると思われます。私も岸田首相が国民の多くの批判を承知で翔太郎氏を首相政務秘書官にしたのは広島サミットのためだと善意に解釈していましたが、これは間違いだったことに気付きました。この翔太郎氏の不見識では広島サミットの準備に当たれるわけがなく、やはり岸田首相が翔太郎氏を首相政務秘書官にしたのは世間で言われている後継者として箔を付けるためという説が正しいと認めざるを得ません。

翔太郎氏については以前秘密の情報を特定の記者に漏らしたと言う疑いも浮上していましたが、岸田首相が厳しく注意したと言うことは無かったと言われています。これは外部からは伺い知れないことですが、今回の翔太郎氏の行動を見ると事実だと思われます。岸田首相と翔太郎氏は首相公邸で生活を共にしているということですから、翔太郎氏は岸田首相の最大の相談相手ということになります。岸田首相を見ていると官僚や党幹部と徹底的に議論をして政策を決めている様子はなく、ある日突然政策を発表します。資産所得倍増政策もそうですし、防衛力増強政策もそうです。そして最近では唐突に「異次元の少子化政策」を打ち出しています。これは首相公邸で岸田首相と翔太郎氏が会話し、その内容が決め手になっている可能性があります。即ち日本の政策は岸田親子会話(会議)が最高意思決定機関となっているように思われます。岸田政権は日本の政治上最低レベルの政策決定プロセスにある疑いがあります。