ソニーはオウンドメディアの中心になって欲しい
2週連続で大きな社長交代のニュースがありました。先ずはトヨタの社長交代であり、その後ソニーの社長交代が続きました。利益額日本1位と2位の会社のトップ交代であり、共にニュース性は大きいものがありました。トヨタはまさかのタイミングであり、新社長も予想外だったと思われます。一方ソニーは予想通りのタイミングであり、新社長も予想通りだったと思われます。これは両社が置かれた環境の違い(トヨタは電位自動車への移行と言う歴史的転換点に立っている。ソニーはこれまでの戦略を推し進めればよい。)によるものです。しかし報道方法は大きく違いました。トヨタはオウンドメディアであるユーチューブチャネル「トヨタイムズ」で社長交代を発表すると言う画期的な方法で行いました。一方ソニーは従来通り新聞やテレビなどの報道記者を集めて発表しました。トヨタがトヨタイムズを作ったのは、豊田社長の根深いマスコミ不信(事実が正確に伝わらない、報道して欲しいことを報道せず報道して欲しくないことを報道する、正義の味方面するなど)の結果であり、それが豊田社長の交代報道で注目を浴びることになりました。ソニーはソネットなどネットメディアを保有しており、強力なオウンドメディアを持とうとすればトヨタ以上のものを持てると思われます。それを持たず今回の社長交代発表を従来の形で行ったのは、ソニーが放送機器や取材機器を販売し、マスコミが大事な顧客であるためとも考えられます。
トヨタがやった方法によると、新聞やテレビはトヨタイムズの放送を見て報道する二次報道機関となるため、これまで一次報道機関として権威を持ってきた新聞・テレビにとっては屈辱的であり、報道する意欲が湧かなかったと思われます。そのため扱いが小さいものとなっていました。一方ソニーの場合、新聞記者やテレビカメラの前で直接社長交代が発表されたため、新聞やテレビは権威を保つことが出来ました。そのため新聞・テレビの扱いが大きくなっていました。それでもソニーにとってはそんなに大きな広告結果は無かったし、また期待もしていなかったと思われます。
新聞だと記者の頭を通して報道されるため、記者毎に報道内容が微妙に異なってきます。テレビは映像は変わりませんが、その後のコメントなどで視聴者に違った印象を与えてしまいます。やはり情報の発信元としてはありのままの情報を受信者に届け、受信者に知ってもらうのがベストであり、それには新聞やテレビを介さないオウンドメディアによる方法が優れていると考えらえます。メディア産業にも関わるソニーこそオウンドメディアによる報道の中心になって欲しいものです。