ガーシーは帰国しない

UAEに在住し昨年7月の参議院選挙で当選後1度も登院しないNHK党のガーシー議員が帰国して3月8日の参議院本会議で陳謝することになったという報道です。あれだけ登院なんか意味がないと言っていたガーシー議員があっさりとこれを受け入れたことを意外に思った人も多いと思います。

しかしガーシー議員の心は未だ揺れているようです。2月28日のインスタライブでは「身の安全が一番大事。これはどうしようもないと思ったら『逃げた』と言われてもいいから帰国しない」と語っています。一方「懲罰委員会や警察の動きが、外部的な圧力が動いている風に見えて仕方が無い。常識を覆すような圧力がかかっている。そこの部分の確認が取れないと、日本に帰りたくないというのが本音です」「帰国はしたい。陳謝もしたい。国民のために働きたいんですけど、あまりに不透明で、わけのわからんことが連日連夜起こっている。警察も露骨に動き出している」「辞めるとしても爪痕は残したい。引き下がったらあかん。だから帰国せなあかんと思った。ギリギリまで戦いたい。逃げたくない」「ぼくの気持ちは、9割帰りたいと思っている。何らかの手段を考えて欲しい」と揺れる気持ちを正直に吐露しています。ガーシー議員が懲罰としての陳謝には全く触れず、ひたすら帰国するかしないかについて述べているように、本件の核心はガーシー議員が帰国するかしないかにあります。

私は「帰国しない」と予想します。理由は帰国すると2度と出国できなくなるからです。ガーシー議員には複数の告発状が出されて警視庁が捜査しているようですが、多くは名誉棄損や脅迫容疑であり、犯罪としては軽微です。一般的には任意の事情聴取で書類送検がせいぜいで、逮捕まではないと考えられます。しかし1月11日にはガーシー議員の動画から入る広告収入を管理している会社がはいるマンションに家宅捜査が入っており、その容疑は「暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)」となっているようです。これは暴力団の捜査の際に使われる容疑だそうで、ガーシー議員の犯罪は相当悪質と見做されているようです。東京地検特捜部の東京オリンピック贈収賄事件の捜査を見れば分かるように、警察や検察は一旦捜査シナリオを書いたらその通りに完結させます。もう警視庁はガーシー議員捜査のシナリオを書き終えているはずであり、ガーシー議員の運命は既に決まっていると考えられます。従ってそれを読み解くことになりますが、ガーシー議員が多くの国民から嫌われていることを考えると、情状酌量の余地はなく起訴は間違いないと思われます。その際に逮捕するかどうかは、犯罪の重大さと逃亡の恐れがあるかどうかで決まりますが、ガーシー議員の場合犯罪は逮捕するほど重大ではないと思われますが、UAEに逃亡する恐れは大きいことから逮捕する必要があります。従って帰国した場合、空港で任意同行を求め事情聴取、その後解放し参議院で陳謝、同時に警視庁から国会に逃亡の恐れがあるとして逮捕許諾請求が出されることになると思われます。国会としてはガーシー議員がUAEに居住していることから逮捕に妥当性があるため認諾するしかないと思われます。あるいはパスポートの効力を停止することを条件に、国会開催中の逮捕は許諾しないことも考えられます。いずれにしてもガーシー議員は帰国したら最後出国できなくなることから、帰国しないと考えられます。