「こども未来戦略会議」で社会保険料爆上げのお墨付き

3月31日岸田首相が「こども未来戦略会議」会議を立ち上げると発表しました。同日小倉少子化担当大臣が少子化社会対策大綱(たたき台)を発表しましたので、これを会議でオーソライズする意図のようです。岸田政権におけるこのような会議体は、「新しい資本主義実現会議」、「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」に次ぐ3つ目となります。「新しい資本主義実現会議」は「新しい資本主義」と言う奇妙な概念に具体的内容を入れることを丸投げしており、岸田首相の空っぽの頭が良く表れたものでした。「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」はテーマが壮大すぎて具体的効果は期待できず、ただ増加する防衛費の財源は増税が適切であるとの提言が得られればよかったものと考えられます。今回の「こども未来戦略会議」も具体的政策の提案を期待したものではなく、たたき台を国民の代表でオーソライズしたというアリバイ作りのものと考えられます。

少子化対策の具体策については世界各国で実施されている対策を拾い出せばよく、これは官僚が得意とするものです。どんなに考えてもそれ以外の新しい対策は出てこないし、出て来ても少子化対策後進国日本で実施できるものとはなりません。

岸田首相がこの会議の期待している唯一のことは、少子化対策の費用は国民に幅広く負担してもらう必要があるという提言だけです。財務省としては提言の中に増税の必要性を入れるよう委員に働きかけるでしょうし、厚労省としては社会保険料の引き上げを働きかけると思われます。いずれにしても国民負担の大幅増加は避けられず、物価上昇が続く中で賃金引き上げがままならない中小企業従事者には厳しい提言となりそうです。

防衛費増加による増税に続き、今回の少子化対策により増税や社会保険料の引き上げが実施されると、国民の公的負担は現在の45%程度から50%を超えるのは確実です。いわゆる5公:5民であり江戸時代の状況となります。岸田政権がこの時期に少子化対策案を発表し「こども未来戦略会議」の設置を発表したのは4月の統一地方選挙や国政の補欠選挙を意識したものであり、統一地方選挙で自民党が勝利すれば増税や社会保険料の引き上げが国民から支持されたとして岸田政権は一挙に増税や社会保険料の引き上げを実施します。上げられたら困る人は今回の統一地方選挙で自民党候補には投票しないことです。

尚、会議のメンバーには権威作りのため経団連会長や連合会長、東大教授など定番の顔ぶれが並ぶでしょうが、話題作り枠として小泉進次郎衆議院議員夫人の滝川クリステルさんや3人の子持ちで今年白百合女子大に入学した小倉優子さんを入れることが考えられます。