日経「think!」よりヤフコメ

同じ新聞記事なら新聞社の元記事よりもヤフーニュースの引用記事を読みます。なぜならヤフーニュースの引用記事に書き込まれたコメント(ヤフコメ)が面白いからです。コメントを書き込む人は、記事の内容につき高度な知識を持っている人から全くの素人、通りすがりの人まで様々で、中には文句を言いたいだけの人も見受けられます。最近はチェックが厳しくなったので以前のような誹謗中傷だけが目的の書き込みは無くなった来たように思われます。誹謗中傷記事は対象となった人は腹立たしいでしょうが、社会の全貌が見えてきて社会ウォッチとしては有益です。ヤフコメは丁寧に読めばためになるコメントも多く、勉強にもなります。

新聞の電子版にはヤフーニュースのように自由な書き込みを認めているものは無いと思います。最近の新聞電子版は有料記事が多く最後まで読めず書き込む気にもなりませんが、新聞社にとって書き込みを許すことは、記事にいちゃもんを付けられているようでプライドが許さないのかも知れません。それが伺えるのが日経の「think!」です。日経は日経の記事に日経から依頼された専門家や知識人がコメントを寄せる仕組みを作っています。これはこの人だったら記者としても素直に意見を聞けるし、記者を傷つける書き方はしないという双方の合意のもとに運営しているように感じられます。そのため記事の延長感が強く、さっぱり面白くありません。同じような顔ぶれであり「またか」という感じを持つこともあります。新聞がマスゴミに入れられ嫌われる原因は、政府や官僚と一緒になって国民を誘導している感があるからですが、「think!」に登場しているのはその仲間内の人のように思われます。従って日経「think!」は読者を教え導く感が強く出ています。最近はネットで検索すれば様々な専門家の著作物に有りつけるので、読者は日経の記事もそれ程専門性が強いように感じなくなっています。そのため日経が今後読者を増やすには、記事に対する書き込みを幅広く認めることだと思われます。そうすれば記事の当事者会社の社員や同じ業界に属する人のコメントなども書き込まれ、読者が魅力を感じるようになります。もう読者は専門家や知識人の聞き飽きた紋切り型のコメントにうんざりしています。

その他の新聞もプライドを捨て読者の自由な書き込みを許さないと読者をつなぎ留められなくなっています。新聞社は、記事は書き込みを呼び込む餌と割り切ることが必要です。