公明党区議会第一党で足立区が益々不人気化

5月26日実施された足立区議会選挙で公明党が第一党になったという報道です。公明党は4月の統一地方選挙で12人の落選者を出し、その中で最大の落選者を出したのが練馬区議会選挙の4名だったことから、足立区議会選挙には党および創価学会の総力を挙げて取り組んだ効果が出たようです。一方では自民党が立候補者19名のうち12名の当選に留まり、第2党に陥落しました。この結果だけを見ると公明党は盤石のようにも見えますが、開票結果を見るとそうでもないことが分かります。以下足立区議会選挙の開票結果から自公の問題点を考察します。

先ず公明党ですが、議席は前回2019年の議席と同数ですが、得票数は52,796票と前回の56,452票より3,656票、率にして約6.5%減少しています。これは創価学会員の高齢化による自然減が主と思われ、今後の厳しさを思わせます。立候補者が13人ですのでほぼ1人4,000票を目安に割り振り、公明党当選者の最低得票者が3,525票ですから、ほぼ計画通りの結果になったものと思われます。全当選者の最低得票数が3,023票ですので全員悠々と当選しています。もし3,000票で割り振れば16人当選できたことになります。但し、足立区の有権者数は約57万人ですから有権者の9.3%に過ぎない組織が議席の約3割を占めることは、地域にとって悪夢とも言えます。

次に自民党ですが、当選者を前回の16人から12人に減らした自民党は、得票数68,223票で前回の78,212票より9,989票、率にして約12.8%減らしています。日本維新の会が3名当選し、16,061票獲得していますので、前回自民党に投票した人が日本維新の会に流れたことが予想されます。但し、自民党の得票数を立候補者数で割ると約3,600票であり、公明党のように上手く割り振れば19人全員が当選できたことになります。

結果的に議席では公明党が自民党を1議席上回りましたが、得票数は自民党が11,771票上回っており、足立区の実質的第一党は自民党と言うことが出来ます。

今後については、公明党は創価学会の会員が毎年1%強減って行き、選挙の度に5~6%得票数を減らして行くと予想されますが、議席数はこのままの数を暫く維持できると思われます。一方自民党は選挙ごとに今回減った約1万票単位で日本維新の会に奪われる可能性が高いと思われます。この結果次の区議会選挙では得票数でも公明党を下回る可能性があります。

今回の選挙結果は足立区の行政の運営と共に足立区の人気に大きな影響を与えると考えらえます。足立区は都内23区の中でも人気が無いエリアと言われていますが、公明党が議会第一党になり創価学会が強い地域であることが分かったことから、更に不人気化すると思われます。創価学会員が日常生活で嫌われていることはないと思いますが、公明党が政治活動で悪目立ちしており、その結果創価学会に良い印象を持たない人が増えており、創価学会員が多いとなると住む地域としては敬遠する人が増えると思われます。創価学会は公明党を見直す時期に来ていると思われます。