広島サミットで一番得したのは岸田後援会?

5月24日の文春砲で岸田翔太郎首相秘書官と岸田家の親戚若者が首相公邸の公式行事に使われる施設で撮った集合写真(閣僚就任記念写真を真似たもの)が報道され、最初は「不適切」であり「厳重に注意した」に留めていた岸田首相も6月1日翔太郎秘書官の辞職を発表しました。岸田首相本人は当日挨拶したことは認めましたが、これは私的スペースでのことであり問題ないと述べ、「不適切」行為への関与は否定しました。ところが6月1日になって今度はフライデーが当日の忘年会は岸田首相兄弟家族が集まったものであり、岸田首相と祐子夫人が中央に座った集合写真を報道しました。これを見ると当日の忘年会の主催者は岸田首相と思われます。これについて岸田首相は2日私的スペースでの出来事であり問題ないと述べました。確かにそうなのですが、それなら最初から自分が主催した忘年会の際の出来事であり、監督不十分だったと述べればよかったのです。そのように述べなかったのは隠そうとしたと言われても仕方ありません。

今回の報道で明らかとなったのは、岸田首相の身内中心主義です。そもそも経験の浅い翔太郎氏を首相秘書官にしたのが今回の騒動の始まりですし、翔太郎氏についてはこれまで2回問題が報道されていました(内部情報を親しい女性記者に漏らしている、首相の欧州訪問に同行した際空き時間に大使館の車で観光していた)。いずれも岸田首相は「問題なかった」と言って翔太郎秘書官を守りました。これは親としては素晴らしい姿勢と言えますが、国民から見ると首相という立場より親子関係を重視していると見えます。今回の忘年会事件で親子関係重視と共に身内中心主義の姿が明らかになったと思われます。政治の面においても2大重大人事である日銀総裁とNHK会長は岸田首相のいとこである宮沢洋一自民党税制調査会会長の推薦であることが明らかですし、サミットは自分の選挙区である広島で開催しました。

こう考えると広島サミットに身内を優遇した疑いが浮上します。広島サミットには国の予算が約200億円、広島県の予算が約100億円で合計約300億円かかっています。警備に要する費用が大きいようですが、それでも広島市内を中心にサミットに使う商品やサービスの需要が発生します。今回明らかになった岸田首相の身内中心主義からするとここでも身内、即ち自分の選挙区の後援者や支持者を優遇したのではないかという疑惑が浮かびます。私は岸田首相が翔太郎氏を首相秘書官に任命したのは広島サミット対策ではないかと考えていました。翔太郎氏は高校まで広島市で育っていますから広島に土地勘があり、広島市の岸田事務所に常駐する祐子夫人と連携すれば、サミットで必要となる商品やサービスの発注先を岸田後援会に集中することも可能です(この場合、政府のアミット準備室に岸田首相直属の官僚がいて翔太郎氏の意向を受けて発注を差配する)。この通りではないにしろ広島サミットで岸田後援会に多大な利益が転がり込んだことは間違いないと思われます。これは岸田首相の選挙対策であると同時に翔太郎氏を後継者にする対策でもあります。翔太郎氏の首相公邸での「不適切」行為については、広島のマツダ(祐子夫人が秘書として勤務していた)社内や翔太郎氏友人の修道高校関係者の間では有名な話であり、翔太郎氏はこれらの関係者を首相公邸に招いて同じことをしていたと言われています。これは翔太郎氏が岸田首相後継になるときに備えた地元対策のように思えます。岸田首相と岸田一家の頭は全て家業である議員の承継に向けられているように思われます。

尚、首相公邸忘年会の写真は今後も流出するでしょうし、更に忘年会の録音が流出する可能性もあります。また広島の関係者も首相公邸に招待されているとするとそちらからも写真などが流出する可能性もあります。そうなると岸田首相は首相公邸問題で退陣する初めての首相になる可能性があります。