エンゼルスが侍ジャパンに似てきた

エンゼルスの大谷選手がバッティングで2021年の再現になっています。レンジャーズ戦ではシリーズ4戦で4本のホームランを打ちました。4本ともセンターバックスクリーンから左側で、うち3本は130m以上飛んでいます。右打者でも打てる打者はそういない飛距離です。これで6月は7ホームラン(16日現在。19日時点では9本)であり、2021年6月の状態(13本)に似ています。あのときは朝起きると大谷選手のホームランのニュースがあり、とても気分の良い月でした。今の大谷選手は甘い球はほとんどホームランに出来る状態であり、6月あと4本は十分期待できます。昨年10月にジャッジ選手がホームランを量産し、ア・リーグ記録(62本)を更新しましたが、あのときはピッチャーも協力しているのではないかと思えるぐらい甘い球が来ていました。今の大谷選手の場合でも「何であんな甘い球を投げるのか」と思える球が増えています。打たれたくないと思うと甘い球になってしまうのかも知れません。

このように今の大谷選手は2021年6月の状態に非常に似ているのですが、1つ違うところがあります。それはホームランやヒットを打つと味方ベンチに向けて手を上げたり、大声で叫んだりして味方を鼓舞している姿が多いことです。これまで打たれた相手チームピッチャーの気持ちを思ってか余りこのようなアクションはしていなかっただけに目につきます。

これを見てWBCで優勝した侍ジャパンでの大谷選手に似ていると思いました。侍ジャパンでも試合を重ねるたびに大谷選手は味方選手を鼓舞するようなアクションを増やして行きました。特にマイアミでの準決勝と決勝では全身で優勝するんだと言う意思を表現していました。メキシコの選手は「大谷もラテンの選手の影響を受けてきた」と言っていましたし、マドン前監督は「大谷があんなに楽しそうに野球をやっているのを初めて見た」と言っていました。それは「このチームなら優勝できる」という思いがあったためように思われます。そうだとすれば大谷選手は今のエンゼルスならポストシーズンに行けると思い始めていることになります。またエンゼルスのベンチもこれに呼応しており、みんな勝つことに一生懸命です。「なおエ」の元凶と言われたブルペンも勝ちパターン(デベンスキー、ムーア、ウェブ、バックマン、エステベス)が確立されています。また打撃陣もみんな3,4番バッター状態から、モニアックやネトが入って繋ぎも出来るようになってなってきました。大谷選手に一番影響を受けるのは若手選手であり、最近2Aや3Aから若手を抜擢しているのが良い影響を与えているように感じられます。

6月の初めアストロズに1勝3敗だったときには、アストロズとはまだ差があるなと思いましたが、今回ア・リーグ西地区トップのレンジャーズに3勝1敗としたことによって、この3チームは実力的に殆ど差がないように思えてきました。投手力でアストロズが多少優勢のような気がしますが、エンゼルスの投手も勝つことによって自信を付けており、これから更に良くなる余地があります。このように大谷選手の存在はチーム自体を向上される効果があり、今のエンゼルスはWBCで優勝した侍ジャパンの雰囲気に似てきたように思われます。ポストシーズン進出は十分あります。