河野太郎氏は仕事を任せるレベルにない

マイナンバーカードを巡るトラブルが収束不能な状態になっています。トラブル判明件数は増え続けていますから、収束の目途が立ちません。当たり前です。このトラブルは、システム開発体制の未熟さ、システム完成度の低さおよび推進体制の未整備が重なっており、これらの解決には相当の時間がかかるからです。そもそもデジタル庁ができたのが2020年9月であり、まだ2年も経っていません。現在民間企業ではIT人材の取り合いとなっており、収入も高給で知られる金融業界並みとなっています。そんな中待遇も悪く素人の官僚や国会議員に指図されるデジタル庁に転職するIT人材は、民間企業の訳あり人材(評価されていない、チームワークがとれないなど)が殆どだと思われます。そんなデジタル庁が中心となって開発する巨大システムであるマイナンバーカード統合システムは、慎重に慎重を重ねて運用に供されるべきでした。それを昨年10月に就任した河野大臣がいつもの思い付きで保険証を2024年10月に、運転免許証を2024年12月に前倒してマイナンバーカードと統合すると決めたことから、全て準備不足のまま運用を開始することとなりました。河野大臣は菅政権のときコロナワクチン接種推進担大臣として急速に接種を進めたこと(突破力)が評価されてデジタル庁担当大臣就任となったようですが、コロナワクチン接種推進でも大混乱を引き起こしています。それは接種を急ぐため企業に職場接種を求め、企業は会場や会場整理のスタッフ、接種する医師を確保しましたが、何とワクチンが足りないことが分かり多くが中止となったのです。企業としては大損害です。企業で意思決定する場合、実行プロセスをきちっと検証しますから、こんな問題は決しておきません。官庁の仕事もやり方は基本的に企業と変わらないと思われますが、ワクチン接種でこの問題が起きたのは、河野大臣が結果しか考えず、実行プロセスには一切関心が無いためだと思われます。こんな人は企業では怖くて使えません。仕事を任せようなら途中でトラブルが続出し、仕事を任せた上司が責任を取らされます。だから仕事を任せられない部下として、出世しません。いるんです。大きなことを言うけれど実務はからっきしできない輩が。

私が河野大臣はおかしいぞと思い始めたのは、防衛大臣として陸上イージスアショア配備計画を撤回したときです。陸上イージスアショアはイージス艦からのミサイル迎撃体制では日本全国をカバーできないことから閣議決定を経て、秋田県・山口県の自衛隊基地に設置することで地元と交渉が進んでいました。自衛隊が地元に説明する調査資料の中に杜撰なデータが有ったり、説明会場で居眠りをする担当者がいたりして停滞している中で、河野大臣が突然中止を言い出し、安倍政権の中で通ってしまったのです。中止の理由は防衛問題と言うこともあって説明されませんでしたが、代替措置は当然考えられていなければなりません。ところが河野防衛大臣のときには何ら示されず、次の防衛大臣になって大型イージス艦2隻を建造する計画が出てきたのです。イージス艦ではカバーできないことから陸上イージスショアとなったわけですから、またイージス艦に戻るのはおかしいことになります。要するに河野防衛大臣は代替措置を考えずに既存の計画を中止に追い込んでいたのです。ちょっと危険なやり方であり、このとき私は、河野大臣は危険人物だと思いました。その後コロナワクチンの職場接種計画の破綻、マイナンバーカードの混乱と続いており、これは河野大臣の資質に基づくものと言えます。河野大臣を評して「突破力がある」と言う人がいますが、これは突破力ではなく、わがままお坊ちゃまの暴走と言う方が正しいと思います。河野大臣は仕事を任せるレベルにありません。