ラーメンの値段で世界の物価水準が分かる

昨年来物価の上昇が続いていますが、これが継続するかどうかについては意見が分かれているようです。日銀はこの秋には2%を割り込むと予想し、金利を上げません。これについては日銀審議委員の中でも意見が割れてきたようで、7月の日銀政策決定委員会では全会一致の政策決定にはならないだろうと言われています。私は日本の物価はトレンドとして毎年2%以上上がり続けると思います。それはバブル崩壊後日本以外の各国では2%以上の物価上昇が続いており、日本だけ物価下落が続き、物価水準が世界各国と比べて低い状態になっているからです。いうなれば温度が高い水域の中に一点だけ冷たい水域がある状態です。この場合冷水は温まり周囲の水の温度と等しくなります。日本は多くの商品や食料、原材料を輸入しており、その物価は海外の価格です。これまでは円高のため輸入物価が低くなっていましたが、これからは円安となり海外の物価がそのまま国内の物価に反映されます。そのようにして国内外の物価の融合が進みます。不動産や株式ではこれが先行していますが、これからは消費者物価の番です。

最近ではラーメンの値段が世界と日本の物価の指標として有効になっています。一風堂の博多で700円のラーメンは、フランス1,718円、米国1,570円、英国1,488円、オーストラリア1,272円、香港976円、台湾820円となっているとの資料がありますが、この値段の差が物価水準を反映しているように思われます。これだけ日本のラーメンが安いと海外からの観光客にとっては魅力的です。一風堂などの有名ラーメン店に海外の観光客が押し寄せるのも当然です。こうなると一風堂なども海外の観光客向けの値段設定をしてくるでしょうから、日本のラーメンの値段も上がるのは確実だと思われます。またラーメンの場合、小麦を始めとした食材も海外から輸入している物が多く、今後円安で輸入食材の価格が値上がりすると予想されます。これもラーメンの値段が上がる要因となります。

よく世界の物価水準や為替レートの妥当性を比較する指標としてマクドナルドのハンバーガーの値段が使われますが、日本の場合世界のラーメンの値段を比較するとピンときます。