河野大臣は外相が天職では?
マイナンバーカードを巡りトラブル続出のデジタル庁担当の河野大臣は、7月11日から22日まで外国訪問でした。訪問先は11〜16日がフィンランドとスウェーデン、エストニア、17〜22日がヨルダンとパレスチナ、イスラエルで、目的は関係閣僚らとデジタル分野での協力を巡って意見交換することとなっています。フィンランドとエストニアはデジタル化先進国で有名ですから分かりますが、その他の国はちょっと分かりません。スウェーデンはフィンランド訪問のついでに訪問となったのかも知れませんが、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルとなると意味不明です。少なくともヨルダンとパレスチナは日本が見習うようなデジタル先進国ではないように思われます(もしこの両国が日本よりデジタル化が進んでいるとしたら日本は絶望的状況と言えます)。
この外遊先のうち北欧3国はロシアと国境を接することから、ロシア包囲網外交のように見えますし、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルについては中東紛争の仲介のようにしか見えません。河野大臣は外務大臣在職中770日間に、外国訪問回数 59回、 訪問国数 77カ国・地域、 外国出張日数 290日という記録を持っていることで分かる通り、外国訪問が好きです。この原因は、外務大臣は出来るだけたくさん外国を訪問すべきと言う本人の外務大臣の職務に対する考え方もあるでしょうし、外国訪問を苦にしない気質もあると 思われます。これを見て私は「河野外務大臣は凄いな。次の首相にふさわしい。」と思ったものです。この後防衛大臣に横滑りしたことについては、本人は不満だったでしょうが、安倍首相が外務大臣としての働きを評価して首相に必要な経験を積ませるために防衛大臣に任命したもののように思われます。その後河野大臣が自民党総裁選挙で首相になってもおかしくない得票を得たのは、外務大臣としての外国訪問活動が評価されたことが多分にあると思われます。
こう考えると河野大臣にとって外交は自分の出世に繋がった仕事であり、気質的にも率直な物言いが外国首脳とシンクロすることから、自分でも合っていると認識していると思われます。この結果、デジタル庁担当大臣になっても今回のように業務と不釣り合いな外国訪問を入れたように思われます。予約を入れた当時は現在のようなマイナカードトラブルは無かったことから、「こんなトラブルの中で良くも長期に外遊を」という批判は当たらないと思われますが、逆に意図が良くわからない訪問という印象を強くしています。いずれにしても外務大臣はデジタル担当大臣のように実務を混乱なく進める能力が求められないことから、河野大臣向きの職務のように思われます。(河野大臣は8月21~25日のサンフランシスコ出張を取り止めたようですが、これは次の内閣改造でデジタル庁担当大臣を外れることが想定されるためと思われます)。