兼重BM社長・山田養蜂場社長・岸田首相が親ばかスリートップ
ビッグモーターの創業者オーナー兼重宏行社長(辞任に伴い正しくは前社長)が社会経験も少ない息子を副社長にした結果今回のような事件を引き起こし、売上高6,000億円とも言われる会社は消えてなくなりそうです。そんな中はちみつで有名な山田養蜂場(売上高約300億円)の山田英雄社長の次男山田満生専務が東京都迷惑防止条例違反と児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕されました。容疑の内容は、知人の女性に浴場で女性入浴客を盗撮させた、未成年者を買春したということです。山田養蜂場はテレビや雑誌のコマーシャルで、ローヤルゼリーを製造販売し始めたいきさつとして、創業者山田政雄氏の娘さんが先天的な重度の心臓疾患を持って生まれため少しでも健康になってほしいとの想いからだったと説明し、純朴な家族愛に満ちた会社と思われていました。それがこんな息子を専務にしていたことが分かったことから、会社としては大ダメージです。満生容疑者は山田養蜂場がある岡山県鏡野町の中学校から大阪市内の私立高校に進学し、高校卒業後当社に入社し山田社長の息子であることから若くして専務の地位に就いたようです。ビッグモーター兼重社長の息子宏一副社長と重なります。
この2例を知って大阪の老舗企業が2代目になって傾いていく例を思い出しました。大阪の老舗企業の場合、創業者社長が猛烈に働いて会社を大きくするのですが、その過程で必ずと言ってよい程社長の片腕となって支えた番頭と言われる従業員がいます。創業社長が高齢になり社長の地位を息子に譲ることになるのですが、創業社長は自分がした苦労を息子にはさせたくないと甘やかして育てます。その結果後継者になったとき、創業者社長を支えた番頭は「こんな甘ちゃんは仕えたくない」と会社を去って行き、会社は傾いてしまいます。創業者が息子に自分と同じ、そこまでいかなくても近い経験をさせていれば会社は継続できた可能性が高いと思われます。ビッグモーターの兼重社長はカリスマ性があり、業界でも従業員の間でもそんなに評判は悪くないようですし、山田養蜂場の山田社長も同様です。
従って躓きの原因は息子に自分と同じ(近い)経験をさせなかったことにあると思われます。
この2人の社長と重なるのが岸田首相です。息子の翔太郎氏は2014年に慶大法学部を卒業し三井物産に入社、2020年に岸田氏の公設秘書に就任しています。そして岸田氏の首相就任約1年後の2022年10月、岸田首相は翔太郎氏を首相秘書官に任命します。そのときの任命理由として「適材適所だ」と言っていましたが、岸田首相は首相の人事権は絶大であり自分が行った人事は誰も覆せないと認識したうえでの確信犯的人事でした。これで翔太郎秘書官が1つでも功績をあげればこの人事を国民に納得させることが出来たのでしょうが、出てくるのはネガティブな報道ばかりでした(官邸の情報を特定の女性記者に教えている、岸田首相の欧州訪問に同行した際大使館の車で観光していたなど)。そして止めとなったのが今年5月に報道された官邸階段での岸田親族若者で撮った集合写真でした。これは閣僚任命後の集合写真を真似たものであり、翔太郎氏は首相の位置で映っていました。首相官邸でもこの場所は公式行事に使われる場所であり、いくら翔太郎氏が岸田首相と官邸で同居すると言えどもこんな使い方はできません。翔太郎氏には常識がないと思われて仕方ありませんでした。これがあっても当初岸田首相に翔太郎氏に首相秘書官を続けさせる姿勢を見せましたが、5月の末に秘書官の辞職を発表しました。たぶん翔太郎氏が自ら申し出たものと思われます。この点はビッグモーター宏一副社長の辞職と同じかも知れません。翔太郎氏の躓き、ひいては岸田首相の躓き(その後支持率がダダ下がりで最近は30%を下回っている調査もある)も息子を甘やかした、依怙贔屓したためであり、ビッグモーター兼重社長、山田養蜂場山田社長と同じであることが分かります。現在この3人は親ばかスリートップと言ってよいと思われます。